中国共産党は良心の囚人から臓器を摘出し、国内外の移植希望者に販売し、巨万の富を築いているー。米保守系シンクタンク「ハドソン研究所」が17日に開催したオンラインセミナーで、中国共産党による強制臓器摘出について十数年にわたり調査する2人の専門家が語った。
調査員のひとり、カナダの元アジア太平洋地域担当大臣デービッド・キルガー氏によれば、拘束された良心の囚人に対して、中国当局は「審理や控訴さえ行わない」という。
「警察はただ良心の囚人を強制収容所に送り16時間の労働を強制する。そしてある日、彼らは連れ出され、少しばかりのカリウムを投入されたのち臓器を抜き取られる。そのあと遺体は焼却されるのだ」
もうひとりの調査員で、カナダ勲章受賞の人権弁護士デービッド・マタス氏は、司法や警察、医療機関、政治など国家ぐるみでこの臓器強制摘出を実施しているのは世界でも中国のみだと指摘した。
ハドソン研究所のニーナ・シェイ氏は「生存者がいないのだから完全犯罪だ」と付け加えた。同氏は人権派弁護士として活躍するほか、米国際宗教自由委員会(USCIRF)の元委員でもある。
10億ドル規模とされる中国での臓器移植産業は2000年を境に急増した。中国共産党が法輪功学習者への撲滅運動を展開した時期と重なる。
2019年にイギリスで開催された独立民衆法廷「中国民衆法廷」は、中国共産党の一党支配に置かれている中国本土では、長年にわたり移植手術を目的とした「強制的な臓器摘出が、相当な規模で行われている」と結論を下した。同法廷では、主な犠牲者は法輪功学習者だとし、現在もこの蛮行は続いていると警鐘を鳴らした。
証言
中国北東部の病院で働いていたアニー(仮名)と名乗る女性が、元夫の勤務していた病院で横行していた臓器狩りの実態を大紀元に証言した。2003年までの2年間、中国東北部にある瀋陽市蘇家屯病院で、元夫は2000人あまりの法輪功学習者から角膜を摘出したという。
「臓器を摘出する目的で手術台に乗せられたときは、彼らはまだ息をしていた。作業が終わると、遺体は焼却炉に放り込まれ、跡形もなく燃やされた…」
こうしたアニー氏の証言を元に前出のマタス氏とキルガー氏は独立調査を開始した。後に発表された「BLOODY HARVEST(戦慄の臓器狩り)」と題する報告書で、中国共産党は法輪功学習者を「生きた臓器バンク」として移植ビジネスに利用していることが明らかになった。中国の年間移植手術数は6万~10万件とされるが、実際の犠牲者数はその数倍と推計されている。
「どこの国でもドナー不足の問題はある。しかし、中国ではまるで無尽蔵に臓器があるかのようにシステムが稼働していた」とマタス氏。「システム全体はそれぞれ区分化されており、皆が見て見ぬふりをしている」と述べた。
中国に渡航移植に行った際、腎臓の臓器移植を受けたと証言したアジア人患者の話にキルガー氏は触れた。拒絶反応を示したことから患者は数カ月間に繰り返し手術を受け、4つの腎臓でようやく適合した。「腎臓だけでなく(臓器狩りは)全てを臓器を抜き取るのだから、この患者のために4人殺害されたのだ。信じられるかい?」と述べた。
バージニア州ノーサンバーランド郡は昨年12月、法輪功学習者らを対象に行っている強制臓器収奪を非難する決議案を全会一致で可決した。バージニア州で同様の決議が通過したのはこれで24郡目になる。
テキサス州も昨年6月に中国共産党による良心の囚人への組織的な殺害を非難する決議案を正式に採択した。大統領に対して、犯罪の責任者を訴追するほか米国への入国を禁止するよう求めた。
中国の臓器強制摘出問題には国際機関の更なる関与が必要であり、各国の医療機関は中国との移植医療協力を停止するべきだと2人の調査員は訴えた。
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