[台北 25日 ロイター] – 台湾当局は25日、ウクライナ侵攻を巡る対ロシア制裁を「民主国家」と共に発動すると表明した。また、半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、全ての輸出管理規則を順守すると発表した。
蘇貞昌・行政院長(首相)は台北で記者団に対し、「われわれはこのような侵略行為を非常に厳しく非難し、民主国家と共同で制裁を発動する」とした。内容の詳細については触れなかった。
台湾経済部(省に相当)の王美花部長(大臣に相当)は、ロシアへの輸出を「厳しく精査」し、さらなる措置のために同盟国と「調整」すると述べた。
外交部(外務省)は声明で、「ウクライナを戦争の恐怖から解放するために、米国およびその他の志を同じくする国々と緊密に連携して適切な措置を講じる」とした。
TSMCは制裁に関する質問に対し、輸出管理規則に従うと表明。発表文で「TSMCは適用される全ての法律と規制を順守し、発表される新しい輸出管理規則の順守に完全にコミットしている」とした。
ロシアは台湾のモノにとって主要な市場ではなく、台湾当局のデータによると、ロシアとの貿易は全体の1%に満たない。
経済部は24日、ロシアとの天然ガス契約は3月に期限切れとなり、供給を多様化すると表明した。
蘇行政院長は台湾の主権と安全を守ると強調し、一部の「外国勢力」が台湾の状況をウクライナの状況と結び付けていることについて、世論に働き掛ける「認知戦」と誤報のキャンペーンだと見なしていると述べた。
台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は南部台南市で行われたイベントで演説し、台湾とウクライナの状況は同じではないとし、台湾海峡は「自然の障壁」になっていると改めて指摘した。
台湾軍の継続的な戦闘能力の向上と、友好国によるこの地域への高い関心が安全保障維持への強い自信につながっていると述べた。
台湾は心理的な防御能力を強め、予防的な認知戦作戦を強化すべきと主張した。また、外国勢力や現地の協力者が偽情報を用いて台湾でパニックを起こしたり、ウクライナの混乱を利用して市民の気力をそいだりすることを防ぐ必要があると訴えた。
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