レモンド米商務長官は23日、米政府が前日に合意した英国向けの鉄鋼・アルミニウム関税の緩和に関する合意にある監査条項は、中国の不公正な貿易慣行への警告だとブルームバーグのインタビューで述べた。
米商務省の発表によると、6月1日以降、英国産の鉄鋼製品を年間50万トンまで、未加工のアルミ製品を年間900トンまで追加関税の適用除外とする。いっぽう、英国は、蒸留酒や農産物、消費財など、5億ドル相当の米輸出品への課税を撤廃する。
また同協定の下では、中国企業が所有する英国の鉄鋼会社は中国共産党の影響を評価するために財務記録の監査を行うことが義務付けられる。監査結果は米国と共有される。中国政府からの補助金の受給の有無など、生産者およびその親会社の財務情報も監査対象となる。加えて、こうした会社は過剰生産など市場歪曲的な行為はないとする証明書の提出が求められる。
この合意について「中国の反市場主義的な行為に米英は反対する、こうした非常に強い警告を送るものだ」とレモンド氏は述べた。
商務省は「重要な同盟国や友好国との関係を強化し、中国の不公正な(貿易)慣行に協力して対処していく」と意義を強調した。消費者物価が過去40年間で最高水準に達している米国のインフレ緩和にもつながると述べた。
トランプ前政権は18年3月、補助金漬けの輸入品氾濫から米国の生産者を守るため、通商拡大法232条に基づき、アルミニウムと鉄鋼にそれぞれ10%と25%の関税を課していた。
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