十分な判断能力が備わっていない子供への性別適合手術は取り返しのつかないことになるー。米国でトランスジェンダーの子供への対応に議論が巻き起こるなか、テネシー州議会では未成年者への性転換医療行為を制限する法案が審議の最中にある。
この青少年健康保護法案は2月にジョン・ラガン下院議員が発表し、3月15日には保健委員会で議論されている。保護者の同意があった場合でも未成年者(18歳未満)へのホルモン療法や性別適合手術などの医療行為を禁じている。また、これらの処置を行った医療機関には罰則を科すとした。
子供の成長過程において長らく影響の残る医学的改変をすることは「賢いやり方ではない」とラガン氏は法案の意義を強調した。「生物学的に男か女の二択しかなく、これは否定できない」とした上で、成人になってから自身の歩む道を自由に選択できるようにするべきだとの見解を示した。
高まる自殺リスク
ラガン氏は性別適合手術後の死亡リスクについても懸念を示した。
スウェーデンのカロリンスカ研究所は性別適合手術を受けた324人を対象にフォローアップ研究を実施した。それによると「性別適合手術やホルモン治療などを受けたトランスジェンダーの心血管疾患などによる死亡率、自殺行動、精神疾患のリスクは一般の集団よりかなり高かった」という。
「子供は成長する過程でさまざまなものになりたがる。その多くは非現実的で想像力の一部なのだ」とラガン氏。「しかし、その心象風景に沿うように身体を改変するならば、行き過ぎた行為になる」
テネシー州議会ではトランスジェンダーの選手が女子運動競技に参加することを禁止する法案も提出されている。同様の法案はアイダホ州やテネシー州、テキサス州など複数の州で可決している。
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