北京冬季五輪にフィギュアスケート女子米国代表として出場したアリサ・リュウ(劉美賢)選手と中国出身の父アーサー(劉俊)氏が、中国共産党の「秘密工作員」によるスパイ活動の標的になっていた。AP通信17日付が報じた。
報道によると、アーサー氏は昨年10月、連邦捜査局(FBI)から中国共産党による米国在住の反体制派弾圧政策の標的になっているとの警告を受けた。同氏は1989年の天安門事件に抗議後、米国に亡命していた。北京五輪を控えるアリサ選手には配慮し、伝えなかったという。
アーサー氏は昨年11月に米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)の職員と名乗る男から電話を受け、家族のパスポート番号を要求された。同氏はこれを拒否した。アリサ選手の五輪出場にあたって、少なくとも2人のボディーガードの常時同行を米国務省とUSOPCとの間で約束していたという。
アリサ選手は北京でフリー演技終了後、カフェテリアで見知らぬ男性に声をかけられ、家に来るよう誘われたとアーサー氏に明かしたという。
中国共産党は国境を越えた反体制派や活動家への弾圧政策を展開している。米司法省(DOJ)は16日、米国にいる元中国学生運動リーダーらに監視や嫌がらせ行為を行ったとして中国共産党の工作員5人を起訴した。アーサー氏によると、工作員が実施する監視対象リストに自身と娘が「反体制派」「その家族」として名前が載っていたという。
米司法省、中国政府工作員5人を一斉起訴 「国境を超えた弾圧計画」に関与
「中国共産党は世界の隅々までその手を伸ばしている」「しかし、私を黙らせることはできない。彼らの思い通りにさせるつもりもない」と語った。
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