米国の上院議員は17日、国際銀行間通信協会(SWIFT)に代替する中露の決済システムを利用してロシアの金融機関と取引する中国の金融機関に制裁を科す法案を提出した。ウクライナ侵攻をめぐる対露制裁の抜け穴をふさぐ狙いだ。
法案はマルコ・ルビオ議員ら3人が共同提出した。中国の金融機関が人民元決済網「CIPS」とロシアの決済網「SPFS」を利用してロシアまたはロシア支配地域の金融機関と取引することを禁じる。違反した場合は、米国内のコルレス銀行口座やペイヤブル・スルー口座を凍結または解約する。
さらに、当該金融機関の資産を差し押さえるといった内容も盛り込まれた。
ルビオ氏は「中国が国際的な制裁を回避しようとするロシア企業の拠り所になるのを許してはならない」と強調。「違反する中国企業は米国金融システムにアクセスすることはほぼ不可能になる」と釘を刺した。
米国は中国共産党のロシア支援をめぐり、中国を牽制する姿勢を取ってきた。サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は14日、中国外交担当トップの楊潔篪・共産党政治局員とローマで会談し、ロシアを支援した場合は「厳しい結果が待っている」と警告した。
法案立案者の一人、トッド・ヤング議員も「ロシア支援の代償について、中国共産党はじっくりと考える必要がある」と述べた。
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