ウクライナに戦車と軍隊が押し寄せるなか、米国とその同盟国はロシアに関心を移行しつつある。しかし米国のエリート層に浸透する中国共産党は、自由世界のリーダーである米国に取って代わることに依然として注力していると元米海軍大佐は警告する。
大紀元の動画コンテンツ「EpochTV」に出演した元米海軍大佐のスチュ・スバルク氏は「ロシアとウクライナの戦争は注意をそらすものだ。米情報機関の2022年世界脅威評価書も米国の最大の脅威は中国だと断定している」と述べた。
米国は「中国共産党の脅威に対抗するための抑止力や準備が不十分だ」とも付け加えた。
米国家情報長官室は7日、年次の「世界脅威評価書」を公表し、経済的、技術的、軍事的な世界リーダーである米国の地位に挑戦する取り組みを中国共産党は続けると記した。「中国共産党は、人民解放軍が大規模かつ持続的な紛争で米国と対峙するために必要とする主要な能力の開発を加速させている」と危機感を示した。
ヘインズ国家情報長官も下院情報委員会の聴聞会で、中国共産党は 「国家安全保障に関連する分野で、対等な競争相手になりつつある」 と警告。これを受け、スバルク氏は「中国(共産党)は極超音速兵器を宇宙と艦船・航空機に配備しているが、米国は何も持っていない」と指摘した。
また、スバルク氏はロシアのウクライナ侵攻を前に、全体像を見失うべきではないと強調する。
元米空軍外国地域担当官のゲルマンテス・ライラリ氏は、中国共産党の戦略は米国を 「眠らせ続ける」 ことだと発言。「最も準備不足の時に、中国共産党は襲ってくる。米国は何もできないかもしれない。できても非常に限定的なものになるだろう」と警鐘を鳴らした。
脅威を増幅させるエリートたち
調査ジャーナリストであるアレックス・ニューマン氏は、ウクライナ戦争への中国共産党の対応は「巧妙だ」と指摘する。
侵攻前にロシアとの「無制限の友好」を宣言した中国共産党は、公式に中立の立場を示し、危機解決に向けた交渉を呼びかけている。いっぽうで、米国と北大西洋条約機構(NATO)がウクライナ戦争を扇動していると非難し、ロシアの「正当な安全保障上の懸念」を尊重するよう西側諸国に求めた。
また、国連総会でのロシア非難決議案の採択を中国が棄権したことを踏まえて「私たちが目にしているのは、大衆のために演出されたプロセスであり、世界秩序の完全な再構築だ」とニューマン氏は指摘した。
さらに米国のエリート層との密接な関係がなければ、中国共産党は現在の地位を獲得することはできなかったとも主張した。
「中国共産党の行動を理解するには、米国の強力なエリートたちが共産主義中国の構築に関与していることを知る必要がある」
中国共産党は、ワシントン、ウォール街、シリコンバレー、大企業のエリート層を巻き込んで、直接対立することなく米国に影響を与え、弱体化させてきた。
「中国共産党は、人類、自由、そして米国にとって大きな脅威だ。しかし、ワシントンDCやニューヨークの人々の意図的な援助がなければ、こんなことにはなっていなかった」
「まずは、自国の混乱の真相を突き止める必要がある」とニューマン氏は語った。
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