中国の著名学者らは相次いで、中国政府のゼロコロナ対策や経済政策方針を擁護し、物議を醸している。
台湾出身で北京大学国家発展研究院名誉院長を務める林毅夫教授、清華大学の李稲葵教授、重慶市元市長の黄奇帆氏らは14日開かれた「2022年清華五道口チーフエコノミスト・シンポジウム」にオンライン形式で参加し講演を行った。
林毅夫氏は講演の中で、米国が衰退し中国が勃興する時に、中国はできるだけ戦争を回避し、ダイナミックな経済成長を保ち、開放的な姿勢を持ち続けることが重要だと提案した。
同氏は「中国の(購買力平価での)1人当たり国内総生産(GDP)は以前、米国の50%だった。しかし中国の人口は米国の4倍であるため、中国の経済総規模は遅かれ早かれ米国の2倍になる」と語った。
「新浪財経」を含む複数の中国メディアは林教授の発言について、「将来中国の経済総規模は米国の2倍になる。その時、米国は必ず中国と良好な関係を構築しなければならない」と報じた。教授が述べた前提条件である「戦争回避」「ダイナミックな経済成長を保つ」「開放的な姿勢」などには言及しなかった。
ネット上では、林氏の見解に関して「開放的な姿勢を堅持するなんて全く不可能だろう。ゼロコロナ政策下の都市封鎖だけで、中国の経済成長が吹っ飛ばされている」と批判した。
中国国家統計局の16日の発表によると、4月の失業率が6.1%に上昇した。特に都市部の16~24歳の4月の失業率は過去最高水準の18.2%に達した。都市封鎖の強化により、小売業や製造業が大打撃を受け、経済活動を急減速している。
シンポジウムに出席した李稲葵教授は、中国は過去2年間の感染対策で「偉大な勝利」を収め、「国民の平均寿命が10日も長くなった」と政府の厳格な防疫措置を支持した。教授は「労働者を集めて、隔離しながら生産活動を行おう」と呼びかけた。教授は中国人民銀行(中央銀行)金融政策委員会の委員を務めたことがある。
ネットユーザーらはSNS上で「隔離しながら生産するって、労働改造に処された犯罪者への扱いじゃないか?」「李稲葵氏が長生きできるように、彼を隔離することを提案する」などと書き込んだ。
ジャーナリストの連清川氏はネット上で、李教授の主張は「中国人のIQを侮辱した」と非難した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。