中国最貧困地域の一つである四川省大涼山で撮影した結婚式の動画が、政府のイメージに影響したとして、撮影者は地元の警察署に呼び出された。
短編動画共有サイト「TikTok(抖音)」などに投稿された動画がインターネット上で爆発的にヒットし、数千万回の再生回数を記録した。
映像には粗末な新婚夫婦の新居が映っている。使えるテーブルや椅子、電化製品がほとんどなく、結婚式に参加した親族や友人は皆、地べたに座ったままで食事をしていた。料理はいたって質素で、豆腐の漬物スープと饅頭だけだった。ある村人は、「この家は、村では立派な家だ 」と撮影者に言った。
映像は現在、当局によってインターネットから削除されている。ショートムービープラットフォームや「WeChat(微信)」ユーザーによって転載されたコンテンツも表示されなくなった。
貧困の理由は?
中国当局の貧困撲滅キャンペーンは2015年に始まり、2020年11月23日、国営メディアは全国832の貧困県がすべて「貧困状態を脱却した」と発表した。この発表には、国内外から疑問の声が上がった。
大涼山で活動している男性ボランティアは、匿名を条件に大紀元の取材にこう語った。
「政府がこの地域で貧困扶助の政策を行うようになってから、多くの人が以前より貧しくなってしまった。米は年に数回しか食べられず、子どもたちは7、8歳になっても風呂に入ったことがなく、トイレットペーパーを見たことがない家庭もある」
長年、大涼山イ族自治州でボランティアを行いながら「天佑」のペンネームで執筆活動をする中国人作家は、6月9日にWeibo(微博)を更新し、中国の他の地域と同様、エリート階級が消滅され、文化や信仰が失われたため、麻薬中毒や窃盗、エイズが蔓延していると書き込んだ。
天佑氏によると、この地域は豊富な森林資源や鉱物資源に恵まれているが、政府は現地住民による開発を許さず、他地域からやってきた漢民族に任せている。イ族が貧困である本当の理由は、権利も資源も持っていないことだ。その解決策は、資源とその開発権利を地元住民に返すことだと主張した。
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