米国の太陽光発電メーカー、バイデン政権の関税免除に反論 法的措置も

2022/06/10 更新: 2022/06/10

東南アジア諸国から輸入する太陽光パネルへの関税を2年間免除するバイデン米大統領の発表をめぐり、米国の太陽光発電メーカーは法的措置を検討していると表明した。

バイデン氏は6日、太陽電池とモジュールの供給不足に関して緊急事態を宣言し、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナムの4カ国から輸入する太陽光パネルへの関税を2年間免除すると発表した。米商務省は、中国企業が同4か国で組み立てを行うことで関税を回避していないか調査中だが、今回の関税免除措置は調査に影響しないとしている。

これを受けて、米国の太陽光パネルメーカー、オクシン・ソーラーは米国メーカーを犠牲にして、中国共産党から補助金を受けているソーラー企業を援助することになると批判。「米国の貿易法の公正な適用を阻害する」と述べた。

さらに、同社のマムン・ラシド最高経営責任者(CEO)は今回の4か国関税免除は「商務省の準司法手続きの著しい介入」だと述べ、「あらゆる法的措置を検討している」と発言した。

国内の太陽電池メーカーの法定代理人ティモシー・ブライトビル氏は、「緊急事態宣言が進行中の貿易調査を非難する口実として使われた」と指摘。「中国系太陽光発電企業への依存度を高めるだけで、近視眼的な政策だ」と述べた。

中国などからの安価な太陽電池製品の大量流入により、米国の産業に深刻な損害を与えているとして、トランプ前政権は太陽光発電製品輸入に対する緊急輸入制限措置(セーフガード)を発動。バイデン政権も2月、同措置を続けると発表していた。

米国をはじめ国際関係担当。
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