米紙ワシントン・ポスト3日付は、ウクライナでロシア兵と戦う台湾人志願兵を取り上げた。
台湾人志願兵のChuang Yu-weiさん(51)は同紙に対し、「人に助けてもらいたければ、まずは自ら人を助けなければならない」と話した。
台湾軍退役後はツアーガイドの仕事をしていたChuangさんは、ウクライナのゼレンスキー大統領の呼び掛けを受け、3月に現地入りした。現在、ハリコフの前線付近でパトロールや炊事、物資運搬などを担っている。報酬はない。
「台湾出身」であることを他国の志願兵仲間らに告げると、「もし中国が台湾を攻撃したら『台湾で会おう』」と約束してくれたという。
特殊部隊などを経験した台湾人志願兵のPanさん(26)の場合、台湾に戻ったら「新兵を訓練するためのキャンプ」を立ち上げたいと話した。「ウクライナから戦友を呼び寄せて、台湾の民間人に自衛の方法を伝授したい」と望んでいる。
「最も重要な技術は実戦でしか学べない」と考える台湾人志願兵にとって、ウクライナでの戦いは、実戦での貴重な経験を台湾に持ち帰る機会だ。
ウクライナ外相によると、3月6日時点で、世界中から集まった戦闘志願者は約2万人だ。台湾人志願兵の正確な人数はわかっていない。
ワシントン・ポスト紙の取材に応じた台湾人志願兵によると、「同胞は10人ほどいる」という。
中国は台湾の海域や空域に頻繁に侵入し威嚇行為をすると同時に、台湾海峡付近で軍事演習を行うこともある。中国の習近平国家主席は「必要な時に、武力で台湾を奪取する」と発言している。
台湾政府は中国による侵攻への警戒を強めており、徴兵制の復活に向けた検討を始めた。
「ウクライナに感謝している。もし2週間以内に(ロシアに)敗れていたら、中国は台湾を攻撃していたかもしれない」とChuangさんは心の内を明かした。
5月23日、バイデン米大統領と岸田文雄首相の共同記者会見で、バイデン氏は、ロシアに厳しい制裁を科した理由の一つは「中国による台湾攻撃を阻止するためだ」と明言した。
台湾メディアによると、民間学会が3月初旬に行った世論調査では、中国が侵攻した場合、「台湾防衛のために戦いたい」と回答した台湾人は7割を超える結果となった。
台湾の邱国正国防相はこれまで、「自分の国は自分で守る」と繰り返し述べている。
(翻訳編集・李凌)
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