中国各地で建設工事が滞っているマンション物件を巡り、住宅ローン返済をボイコットする購入者が急増している。
台湾メディア「中央社」によると、14日、陝西省の省都・西安市では購入者の数百人が、中国銀行保険監督管理委員会(以下、銀保監会)の陝西省支局の前に集まり、陳情活動を行った。購入者らは、貸出ルールに違反して不動産企業に融資を行った銀行などを処分するよう求めた。
中国インターネット上では、陳情活動の様子の映った動画が投稿された。購入者らは、陝西省銀行業監督局の庁舎に向けて「違法な貸出を(処罰するように)」と大声で叫んでいた。購入者らは当局に対し、住宅ローン返済のボイコットを認可するよう求めた。現場では治安部隊が警戒にあたっていた。
西安市では、未完成のマンション物件が70件以上ある。今年3月、集合住宅地「易合坊」のマンション購入者約300人は、竣工が絶望的となった物件に住み始めた。マンションにはエレベーター、水道、電気がなく、内装工事も行われていない。また、同時期に住宅団地「錦嶺公寓」の購入者約100人も、5年前から工事が滞っている家に入居した。水道と電気が不動産開発企業によって止められたため、住民らは自らトイレなどを造ったという。
中央社によると、中国各地で購入者が住宅ローン返済をボイコットしたマンション物件数は、すでに235件にのぼった。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は15日、過去1年間の販売低迷、工事中断、不動産企業の債務不履行(デフォルト)などを経て、中国の不動産市場は一段と混乱すると指摘した。
いっぽう、中国の銀保監会は14日、住宅ローン返済拒否を巡って、住宅建築部門や中国人民銀行(中央銀行)との連携を強化し、地方政府に対して「物件の引き渡しや、購入者らの暮らしを保障するよう促していく」との声明を発表した。
また、中国工商銀行を含む15の銀行は声明で、住宅ローン支払い拒否による影響は「比較的少なく」、「全体的なリスクは管理できる」と主張した。
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