中国では、住宅ローン返済拒否の動きは115都市、327物件に広がったことがわかった。専門家は、この動きは中共ウイルス(新型コロナ)などの影響で急減速した中国経済を一段と悪化させるとした。
中国の一部の都市では7月、建設工事が止まった未完成マンションの購入者は相次いで、工事が再開するまで住宅ローン返済をボイコットするとの声明をSNS上で公開した。中国では、物件完成前にローンの支払いが始まる。
米ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、ソフトウェア開発プラットフォーム「GitHub」に投稿された中国各地の住宅ローン返済拒否に関する声明(WeNeedHome)では、18日の時点で少なくとも115の都市、327物件に拡大。うち、河南省が66物件で最も多い。陝西省と湖南省は2番目と3番目の多さとなった。
購入者の1人は「仕方なくローンの支払いを止めた」と話した。マイホームを購入する際、住宅ローンだけでなく、親戚などから資金を借りる人もいる。
「マンション工事が途中で止まり、そのまま放置されている。頭金の数十万元を支払い、さらに約100万元の住宅ローンも組んだ。マンションの引き渡しはもう無理だろう。だから住宅ローンを払い続ける必要もなくなった」
在米中国人学者の謝田氏は、「住宅ローンの支払いを拒む購入者の多くは中間層で、経済成長を支えている」として、全国的に拡大したこの運動は中国経済への打撃が大きいと指摘した。さらに「住宅ローン返済拒否の規模が膨らむと、金融セクターと銀行セクターへの打撃は必至だ」と指摘した。
18日、中国株式市場では、深セン市に本部を置く平安銀行の株価が急落した。7800万元規模の住宅ローンが返済されていないことが主因だった。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、中国政府は7月末、国内の銀行に対して、資金難でマンション工事を中断した不動産開発企業に1兆元規模の融資を行うよう求めた。
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