中国不動産市場 官製メディアが底打ち主張も 統計は下落示す

2026/01/23 更新: 2026/01/23

中国の不動産市場は依然として低迷が続いている。最新の統計によると、昨年12月、全国70の大中都市における住宅価格は前月比で下落し、前年同月比でも下げ幅が拡大した。一方で、中国共産党(中共)当局は、不動産市況が「回復」しているとのシグナルを発信している。専門家の間では、「大量の住宅在庫が解消されておらず、価格下落はなお終息していない」との見方が強い。

中共国家統計局が1月19日に公表したデータによると、2025年12月、全国70の大中都市における分譲住宅の販売価格は前月比で下落し、前年同月比でも下落幅が前月から拡大した。

内訳をみると、新築住宅の価格は前年比2.7%下落し、過去5か月で最大の下げ幅を記録した。中古住宅の価格は前年比6.1%下落し、過去15か月で最も大きな下落となった。

また、70都市における12月の不動産投資は前年比36.3%減と大幅に落ち込み、新築住宅の販売面積と販売額もそれぞれ前年比15.5%、23.6%減少した。住宅価格、投資、販売のいずれもが強い下押し圧力にさらされている状況が浮き彫りとなっている。

それにもかかわらず、中共の官製メディアは、「一線都市の新築住宅価格の前月比下落幅が縮小した」と強調し、これを「不動産市況が底打ちし、回復に向かう兆し」として報じている。

これについて、台湾・南華大学国際事務与企業学系の孫国祥教授は、「当局が強調する『下げ止まり・安定化』の傾向は、主に一線都市における新築住宅価格の前月比下落幅が縮小した点を根拠としており、それを政策効果の初期的な表れと位置付けている」と指摘する。そのうえで、「市場の信頼回復を狙った動きだが、実際には買い手の様子見姿勢が強く、在庫の消化は依然として遅れている」と述べた。

中共の住宅・都市建設部の幹部はすでに2023年の時点で、全国の住宅総数が約6億6千万棟に達し、このうち都市部の空き家はおよそ1億2千万戸に上ることを明らかにしている。

米国の経済学者、李恒青氏は、「これらの住宅在庫はすでに大量に積み上がっており、空室率も非常に高い。北京や上海といった一線都市から、二線、三線、さらには六線都市に至るまで、多くのマンションが完成しているものの、実際には居住者がおらず、売れ残っているのが実情だ」と語る。

李氏はさらに、「北京、上海、広州といった大都市でも大幅な値下げが進んでいるが、中共当局は庶民に住宅を購入させるため、世論操作を行い、不動産市場の実態を批判することを事実上許していない。不動産市場を客観的に評価すれば、『中国経済を悲観している』と見なされてしまう」と指摘した。

李氏はまた、「不動産市場にかかる圧力はあまりに大きく、金融システム全体を引きずり込み、最終的には崩壊に至る可能性もある。しかし、現在の庶民が『六つの財布』を取り崩して中国の不動産市場を救う余力があるのかは疑問だ」と述べた。そのうえで、「庶民はすでに『足で投票』しており、今後も住宅価格はさらに下落し続ける可能性が高い」との見方を示している。

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