中国で19日、米人気アニメ映画「ミニオンズ」シリーズの最新映画『ミニオンズ フィーバー(Minions: The Rise of Gru)』が公開された。しかし、中国版は通常版より約1分長く、エンディングに改変が加えられた。
中国版では、主人公グルーが敬愛する年老いた悪党、ワイルド・ナックルズ(Wild Knuckles)が警察に逮捕された後、禁固刑20年を言い渡された。刑務所のなかで、ワイルド・ナックルズは劇団を立ち上げ「演劇への情熱を燃やしていた」という。いっぽう、グルーは「家族の元に戻り、最終的に良い人になった」。
通常版では、ワイルド・ナックルズは逮捕を逃れるために自分の死を偽装した。グルーは「死んだはずだった」ワイルド・ナックルズに再会し、ミニオンズとともに新たな「犯罪計画」のためにどこかに向かった。
ロイター通信によると、中国SNS微博(ウェイボー)で1440万人のフォロワーを持つオンライン映画評論家「DuSir」は、「ミニオンズ」最新作の中国版は通常版より「1分長い」と指摘し、「アニメに『堕落』させられることを恐れ、特別な指導と配慮が必要とされるのは中国だけだ」とした。
また、中国の映画評論メディア「電影剪輯工場」の評論記事は、「エンディングを変えたこと」が同作品の中国公開を全米公開より約1カ月遅れさせた原因だとの見方を示した。
中国ではこのエンディングについて賛否両論となっているが、「改変を加えたことによって中国国内での上映が可能になった。これは重要なことだ」とした。
2010年の同シリーズ作品『怪盗グルーの月泥棒(Despicable Me)』は、中国で公開されなかった。作品のタイトルや内容が中国元最高指導者、江沢民を揶揄しているとの指摘から、検閲当局が公開を承認しなかったと報じられた。
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