米国、中国の航空宇宙7団体に禁輸 「軍民融合」に危機感示す

2022/08/24 更新: 2022/08/24

米商務省は23日、航空宇宙関連企業など中国の7団体を輸出規制リストに追加すると発表した。国家安全保障の懸念から、米国の技術が中国の軍事近代化に使用されるのを防ぐ狙いだ。

対象企業には、戦術ミサイルシステムの開発を行う国有企業、中国航天科技集団の研究所などが含まれる。商務省によると、7団体は「中国の軍事的近代化に向けた取り組みを支援するために米原の品目を取得、または取得しようとした」という。今後、許可なく米国から部品や技術を輸出することが禁じられる。

アラン・エステベス商務次官は声明で「米国の宇宙・航空分野の技術は、中国の軍事的近代化に使用されてはならない」と指摘。中国共産党が推し進める「軍民融合」に危機感を示し「米国機密技術を保護するためには、断固とした行動を取る」と強調した。

「軍民融合」とは、中国の軍事的近代化を強化するために民間で開発された研究・技術を活用しようとする国家主導の戦略を指す。米国務省は2020年の報告書で、中国共産党は最も技術的に進んだ軍事組織を構築し、地域的・世界的な野心を達成する上で、軍民融合が不可欠な戦略だと見なしていると警戒感を示した。

商務省は4月にも、中国軍の大量破壊兵器プログラムなどに関与したとして、中国スーパーコンピューター企業7社を輸出規制リストに加えている。今回の措置により禁輸リストに指定された中国の企業・団体は約600に上った。

(翻訳編集・山中蓮夏)

関連特集: アメリカ政治