10人の死者を出した新疆ウイグル自治区ウルムチ市のマンション火災が引き金となり、上海や北京など主要都市では抗議活動が発生している。中国共産党の厳格なゼロコロナ対策に対する民衆の怒りは顕在化し、自由を求める声が高まっている。
火災が発生したウルムチ市の名称を冠する上海市静安区のウルムチ中路では26日、市民がロウソクを灯し、犠牲者に献花する追悼活動を行なった。
追悼活動は次第に抗議活動へと発展した。深夜に現場の様子を撮影したとされる動画によると、集まった多数の市民が「共産党は退陣しろ!」「習近平は退陣しろ!」とシュプレヒコールを挙げた。
他の動画では、民衆が「PCR検査は要らない、自由が欲しい」と叫ぶ様子が記録されている。白い紙を掲げる市民は「何も書く必要はない。これは人民革命の象徴だ」と話した。
警察官が現場に駆けつけ、一部の抗議者を連行したが、上海市当局の公式見解はまだ発表されていない。
ウルムチ市の火災では行動制限のための柵などが消火活動の妨げとなり、被害拡大ににつながったとみられる。政府の説明を責任逃れだと糾弾する声が多く、民衆は不信感を募らせている。
抗議は大学にも広がっている。ツイッター上の写真によれば、北京大学の食堂とされる建物の壁に赤いペンキで「封鎖は要らない、自由がほしい。PCR検査は要らない、ご飯がほしい。寝そべりは現実的ではない。目を開けて世界を見よう。ゼロコロナは虚言だ。早く目覚めよ」などのスローガンが落書きされた
北京映画学院では、学生らは「人民万歳」とシュプレヒコールを挙げ、「全国各地の同胞に声援を」と書かれたチラシを撒いた。
重慶対外経貿学院の大学生はウルムチ市の火事の犠牲者を弔う集会を開いた。重慶大学では「封鎖は要らない、自由がほしい。文革は要らない、改革がほしい。虚言は要らない、尊厳がほしい」などのスローガンが掲げられた。
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