米サウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事は29日、州政府機関の職員などが州調達のデバイスで、中国動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を使用すること禁じる行政命令に署名した。知的財産の窃盗やユーザー情報の不正利用など、国家安全保障上のリスクを理由に挙げた。
ノーム氏は声明で「中国共産党はTikTokで収集した情報を使って米国民を操っている」「サウスダコタ州は、我々を敵視する国の情報収集活動には一切関与しない」と断じた。
サウスダコタ州の職員のほか、州と契約している人物や団体、請負業者が対象となる。行政命令はただちに有効となり、ネット接続が可能な州調達デバイスでTikTokのダウンロードや使用、ウェブサイトの閲覧を禁止する。
中国にいる同社従業員が米国の利用者データを閲覧していたと新興メディアが6月に報じて以降、TikTokにはセキュリティの疑惑が指摘されてきた。TikTokを運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)を含め、中国企業は政府が制定した国家情報法などの規定に基づき、要請に応じて当局にデータを提供することが義務付けられていることから、欧米中心に使用を禁止すべきとの声が挙がっている。
ノーム氏は他州もサウスダコタ州に追随するよう呼びかけており、より広範な措置をとるよう議会に求めている。
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