江沢民の死。それに伴う世論の高まりは、今後の中国共産党政権にどのような影響を与えるだろうか。共産主義に詳しい米国の作家ロジャー・キャンフィールド(Roger Canfield)博士は、中国共産党は悪魔のような存在であり、その本質は永遠に変わることはないと話す。
エポックタイムズの取材に応じたキャンフィールド氏は、天安門事件における虐殺や法輪功学習者への迫害に言及。「共産主義は、時にその装いや声色を変え、魅力的に見せようとするかもしれない。しかし、その本質は悪であり、依然として『悪魔』であることに変わりはない」と強調した。
過去20年間、欧米諸国から中国に大量の資金が流れ、人々は経済発展によって中国の政治体制が転換することを期待してきた。キャンフィールド氏は「キッシンジャーと親中派の幻想は実現しなかった」と指摘した。「却って米国人が権威主義的になりつつある」とし、中国の政治体制の改変を狙った試みは完全に失敗だったと述べた。
法輪功への迫害を命じた江沢民が死亡した今、未曾有の惨禍はまだ続くのだろうか。キャンフィールド氏は、中国共産党が社会を全面的な監視下に置いている以上、全体主義的な抑圧がやむことはないだろうと考えている。「中国共産党は人工知能などの監視・検閲技術を駆使して、法輪功のような平和的な反体制派を特定し、追放することに長けている」とキャンフィールド氏は分析する。
厳格なゼロコロナ政策に起因する「白紙革命」は中国にとどまらず、世界的な潮流を生み出した。キャンフィールド氏は、中国人の覚醒に深く感動するとともに、米国は中国人の勇気を賞賛すべきだと述べた。
いっぽう、今後の中国情勢について、キャンフィールド氏は懸念を示している。ゼロコロナ政策の緩和は一時的な「熱冷まし」に過ぎず、より大規模な弾圧の前触れを予感させる嵐の前の静けさに過ぎないという。さらに「中国が台湾を侵略する時が来ても、米国が無作為のままであれば、米国は次第に過去のものになっていくだろう」と危機感を示した。
キャンフィールド氏は最後に、法輪功学習者の努力により「米国人はようやく目を覚ました」と述べ、「真相が広まり、真実が勝つことを願う」と締めくくった。
作家としても活躍するキャンフィールド氏は、2000年以降、共産主義中国に関する多くの著書を執筆している。最新作は『Make Red China Pay(仮訳:赤い中国は代償を払わなければならない)』。
(翻訳編集・牧村光莉、Wenliang Wang)
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