中国での感染症アウトブレイクの勢いは凄まじく、外部流出した当局の文書によると、12月以降の累計感染者数は2.48億人を記録した。20日の新規感染者数は3700万人に達した。専門家は、集団免疫獲得を目的とした中国共産党の政策が、人道危機を引き起こしていると指摘した。
中国国家衛生健康委員会の内部会議議事録によると、中国の新規感染者数は12月20日のたった1日で3700万人に達し、日増しに増加する傾向だと推定されている。さらに、12月1日から20日までに人口の17.56%に当たる2億4800万人が感染した。
過去3年間にわたって中国共産党が実施した厳格なゼロコロナ政策のもとでは、餓死や自殺が頻発し、適正な医療を受けられないため多くの患者が亡くなった。しかし12月7日、中国共産党が突如としてゼロコロナ政策を撤廃すると全土でアウトブレイクが発生、薬品不足や医療現場の逼迫などの混乱が生じた。
中国問題専門家の横河氏は22日、大紀元の取材に対し、ゼロコロナ政策の撤廃は「集団免疫」を獲得することが目的だと指摘した。「実際には一部の人々を犠牲にして、集団免疫を獲得しようとしている。日常生活と経済活動を急速に正常化することが狙いだ」。
中国政府関係者からの内部告発によると、江蘇省の無錫市は感染拡大のペースが遅いとして、江蘇省当局から批判されたという。告発者によれば、江蘇省当局の指示を伝達する会議では、2023年3月までに「ほとんどの人が一回感染すれば」経済が正常に回るとの指摘がされた。
横河氏は中国当局の急激な政策転換について「非人道的で、人間を人間として扱わないやり方だ」と非難した。
中国ではゼロコロナ政策緩和後、北京などの大都市で感染者が急増し、薬品や病床の確保が困難となっている。近日、著名人や高官・学者が相次いで死亡したことが確認されている。
世界保健機関(WHO)公衆衛生緊急プログラムの理事を務めるマイク・ライアン氏は、ゼロコロナ政策の緩和前から感染者が増加していると指摘したが、中国当局は公式発表で感染者の急増に触れていない。
中国共産党が正確な死者数を報告していないことも懸念されている。米国のブリンケン国務長官は22日、「中国を含め全ての国が情報を共有することが極めて重要だ」と強調した。
(翻訳編集・Wenliang Wang)
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