中国の国境再開…「まるで3年前」再び感染拡大の震源地となるか

2022/12/31 更新: 2022/12/31

中国本土で感染拡大が続く中、当局は26日、来年1月8日からの入国時の隔離義務の解除を発表した。また、新型コロナウイルス感染症の管理対策の分類を現在の最も厳格な部類から1段階引き下げた。

渡航制限の大幅緩和の通知を受けて、大手旅行サイトには海外渡航を待ち望んでいた中国人からのアクセスが殺到した。1月21~27日は旧正月に伴う大型連休を迎え、旅行者の増加による感染拡大や中国から「新たな変異株」の流入に、各国は神経を尖らせている。

日本や米国、イタリアなどは中国からの渡航者に新型コロナ検査の義務化を発表。水際対策の強化するなどして、各国は対応を急いでいる。世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)をはじめ、中国の情報公開の不足を批判する声もある。CDCは29日「遺伝子データなどには透明性がない」などと指摘した。

中国政府はこうした海外の動きに反発している。日本政府が27日に水際対策の強化を公表した際、中国外務省は「各国の防疫措置は科学的で適切なものでなければならず、正常な人の往来に影響を与えるべきではない」などと批判した。また、29日の記者会見でも、水際対策の強化を発表した各国に対して、「中国人への差別的な扱いをやめるよう」求めた。

中国外務省の発言を巡り、SNS上には「今まで正常な人の往来に影響を与えているのは、そっち(中国のゼロコロナ政策)だろう、防疫措置が非科学的で非適切な国がよく言えたものだ」などの批判的な書き込みが相次いだ。

感染者の胸部CT画像などから、「(武漢の)原始株が流出したのでは」との指摘は医療現場からも相次ぎ上がっている。病原ウイルスに侵された肺が重度の炎症を起こし、X線写真に映った肺の大部分が白くなる「白肺」が注目キーワードに上がった。「新たな変異株が出現したのではないか」と疑う声も多い。

中国メディアは、ゼロコロナ政策に正当性を与えるため、これまでオミクロン株は「感染力が強く非常に危険」と宣伝して国民の不安を煽ってきたが、今では一転して、「感染しても怖がる必要はない」となだめる表現に変わっている。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!