[ジュネーブ 30日 ロイター] – 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は30日に公表した「2022年世界災害報告」で、世界の全ての国が将来のパンデミック(感染症の世界的大流行)に「危険なほど無防備」と警告した。年内に準備態勢を強化するよう求めた。
報告は、新型コロナウイルス禍によりこれまでの歴史上発生したどの地震や干ばつ、ハリケーンよりも多くの死者が出ているにもかかわらず、「世界の全ての国が感染症流行に対してなお危険なほど無防備」と指摘した。
ジャガン・シャパガン事務総長は「次のパンデミックはすぐそこに来ているかもしれない。コロナ禍の経験が準備加速のきっかけにならないなら、何がそうなり得るか。恐ろしい3年間を経た以上、準備不足の状態を続ける口実はない」と言明した。
報告は、各国が年内に自国の政策がパンデミックへの準備計画に見合っているか見直し、来年までに新たな条約やWHO憲章に基づく国際保健規則(IHR)の更新に対応するよう求めた。
また、各国の医療財政規模を国内総生産(GDP)比で1%、世界的には年間150億ドル拡大するよう勧告。シャパガン氏は、こうした対応が「良い投資」になるとし、「政治的なコミット意欲が重要だ」と訴えた。
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