[東京 16日 ロイター] – 小野寺五典元防衛相は16日、中国の無人偵察用と日本政府が推定する気球に関連し、台湾と軍事情報の共有で連携すべきとの見解を示した。許可なく領空内に入った無人の飛行物体については、落下の危険があるため撃墜できるよう政府が武器使用の要件を見直すとした。
自民党の安全保障調査会長を務める小野寺氏はロイターとのインタビューで、今年1月に訪台した際のことに言及し、台湾が収集している中国の情報について説明を受けたことを明らかにした。
小野寺氏は「中国のどの場所から何が来ているのか、台湾は長年監視している。それは大きな情報だ」と語った。「台湾有事を想定していろいろな意見が出る中で、当事者の台湾の情報、考え方を聞く事は重要だと思う」と述べた。
日本は台湾を国として承認しておらず、軍事情報などを共有する仕組みはない。小野寺氏は、日本政府が考えることとした上で、日台それぞれとパイプがある米国を介して情報を共有することは一案とした。「仮に3か国の情報連携ができれば非常に重要だ」と語った。
今月4日に米国が撃墜したことで注目を浴びている無人の気球を巡っては、日本も領空内で過去に複数回確認しており、政府は14日、中国が飛ばした無人偵察用と強く推定していると発表した。
政府は必要あれば撃墜できるよう武器使用の要件緩和を検討しており、この日午後に開く自民党の安全保障調査会に対処方針を示す見通し。小野寺氏は、重量物を吊り下げた物体が領空内を許可なく飛行すれば落下の危険があるとし、「内容に問題がなければ(対処方針を)了承する」と語った。
有人機は「正当防衛や緊急避難などかなり切迫した状況でしか撃墜はできない」とする一方、「無人の場合はハードルが下がる」と述べた。
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