[ワシントン 8日 ロイター] – 米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は8日に開かれた上院公聴会で、CIAの将来は現在進行中の米中の技術競争によって規定されるとの考えを示した。
米情報機関はこの日、米国の安全保障に対する世界的な脅威に関する上院情報委員会の年次公聴会に合わせ報告書を公表。報告書は、中国がサイバー技術を駆使して米国民を監視したり、知的財産を盗んだりしているとし、中国は米国が直面する最大の国家安全保障上の脅威になっていると指摘した。
バーンズ長官は公聴会で「技術革命は中国との競争の主な舞台であるだけでなく、情報機関としてのわれわれの将来を決定する主な要因でもある」と述べた。
公聴会には国家安全保障局(NSA)のナカソネ局長、情報機関トップのヘインズ国家情報長官、国防情報局(DIA)のベリエ長官、連邦捜査局(FBI)のレイ長官らの米情報機関のトップが出席。中国はハッカーを使うなどして米国に対しさまざまな脅威を及ぼしていると指摘した。
情報機関がまとめた報告書は、中国が米国との大きな衝突が迫っていると懸念した場合は「ほぼ間違いなく、米国本土の重要インフラのほか、世界中の米国の軍事資産に対し攻撃的なサイバー作戦を仕掛けることを検討する」と想定。「こうした攻撃は、社会的パニックを誘発し、意思決定を阻害することで、米国の軍事行動を抑制するように設計される」とした。
また、中国は石油・ガスパイプラインや鉄道網などの重要なインフラの機能を停止させる可能性のあるサイバー攻撃を「ほぼ確実に」行うことができるとの見方も示した。
NSAのナカソネ局長は中国のサイバー攻撃について、リスクテイクの度合いが高まっており、攻撃性は増していると指摘。「米国にとって懸念すべき動きだ」とした。
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