米コネチカット州のキニピアック大学が実施した世論調査で「中国がロシアよりも深刻な脅威」だと回答した人が6割に上ることがわかった。米国を横断したスパイ気球や中国動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」などの安全保障問題が身近に迫っていると感じたことが要因とみられる。
調査は3月9日から13日にかけて全国の登録有権者約1800人を対象に行われた。「米国にとって最大の脅威となる国」に関する質問では、回答者の61%が中国と回答した。次いでロシア(22%)、北朝鮮(8%)、イラン(2%)となった。
調査では、超党派で中国を最大の懸念事項として挙げていることも明らかになった。共和党員の79%、無党派層の64%、民主党員の47%が、中国を「米国に対する最大の脅威」として選択した。
中国共産党の監視ツールと指摘されるTikTokの「全米での使用禁止」について、賛成は49%となり、反対の42%を上回った。特に同アプリの禁止法案を相次いで提出している共和党の賛成が64%と目立った。
欧米では、中国への情報流出を念頭に、TikTokの利用を政府職員の間で禁止する動きが広がっている。日本も先月、公用端末での使用を禁じると発表。国政政党の国民民主党も公務の端末では同アプリを使用することを禁止した。
英調査会社「レッドフィールド&ウィルトン・ストラテジーズ」が2月に全米1500人を対象に行った世論調査でも52%が「TikTokが米国にとって国家安全保障上のリスク」だと回答した。同様の調査を2020年に実施した際には、その割合は44%に留まっていた。
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