米国 防衛予算案で中国製テクノロジー製品の調達制限 TikTokやDJIなど

2025/12/16 更新: 2025/12/16

米国のトランプ政権は先日、約9000億ドル(約135兆円)規模の「国防権限法案」を提出し、中国製機器の政府調達を厳格に制限する方針を示した。

日常的に利用される動画アプリTikTokから、軍民両用のDJI製ドローンまで、中国製アプリや製品がユーザーの個人情報に及ぼす影響が改めて注目されている。

「デジタル進歩研究所」のジョエル・セイヤー所長は、新唐人テレビの単独インタビューで、今回の法案の意義と情報リスクについて、議会が提出した国防予算案には、国防総省による中国製テクノロジー製品の使用禁止が盛り込まれており、対象製品はルーターやドローンなど幅広い分野に及ぶという。

過去に下院の中国問題特別委員会が作成した報告書でも、国防総省が使用する一部テクノロジー機器が国家安全保障上のリスクとなり得ることが指摘されており、これらのシステムは稼働時に大量の情報を収集することが明らかにされている。

セイヤー氏は、米国政府がようやく強硬な姿勢を示したことは、多くの点で意義ある前進だと見ている。

特にDJI製ドローンやTikTokのようなアプリについて、セイヤー氏は端末とアプリの連携により、大量のデータが収集される可能性を指摘する。

DJIドローンの場合、問題は機体だけでなくカメラや操作アプリにあり、アプリがタブレットやスマートフォンにインストールされることで、ユーザーの端末上の活動を「バックドア」を通じて覗き見ることが可能になるという。

もし政府関係者がこうしたアプリを使用すれば、端末から膨大なデータが追跡・収集されるおそれがある。

TikTokの場合、複数の報告書ではアクセスできる情報ができない情報を大きく上回ることが示されている。単なる動画アプリではなく、スマートフォン内にさまざまな機能を組み込み、裏で指紋や顔認識データを収集し、ウェアラブル端末と接続していれば心拍数まで監視可能である。

さらにAppleのApp StoreやGoogle Play Storeには多数の中国製アプリが存在し、児童安全団体『ヒートウェーブ・アクション』の報告書によれば、数百から数千のアプリが米国ユーザーのデータを中国に送信していると指摘されている。

セイヤー氏は、こうした膨大なデータが利用者を操作するために用いられ、さらには協力者として取り込む可能性があることを懸念している。これが米国政府を国防権限法の見直しに駆り立てた背景であり、過去にファーウェイやZTEを禁止した流れと同様であるという。

まず政府調達から中国製品を排除し、次第に商業分野へと拡大することで、通信ネットワークの安全性を高める狙いがある。

今回の措置は、政府だけでなく一般ユーザーに対しても、中国製アプリや機器の情報管理について警鐘を鳴らす内容となっている。

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