中国江西省景德鎮市楽平市の学校教師らは今月23日、当局による長期にわたる給与未払いの件を巡り、学校の校門前で抗議集会を行った。
この日、同市の「楽平中学」の校門前に集まった約100人の教師は、「白紙革命」を連想させる白い紙を掲げたり、要求を記した横断幕を掲げるなどして抗議を行った。
約100人の教師が校門前で抗議
教師側の要求について、ネット上に流出した情報によると「2020年以降の業績給を支給すること」「今後は業績給を毎月の給与に含めること」などとなっている。
またSNSなどに拡散されている抗議の様子を映した動画によると、この日の正午ごろ、地元の警察や役人が現場に駆けつけている。
役人らは抗議する教師に向かって「校門前ではなく、中に入ってゆっくり話そう。もう少しで生徒の下校時間だ。見られたら、やはり宜しくはない」などと説得を試みた。
それに対し、抗議している一部の教師は「そちらの話は、立ったままでお聞きします」と大声で応えるシーンもあった。
YouTubeの中国報道アカウント「900NEWS」によると、(楽平)市教育局は全市の教師に支払うべき年間1万2千元の業績給(約23万円)が3年分未払いになっている。すでに匿名で告発している教師もいるが、未払いの状態は依然として続いているという。
地方当局による「使い込み」が問題か
近年、中国各地では、給与未払いをめぐり抗議を起こす教師が後を絶たない。
先月も同省の南昌市進賢県で、教師給与の未払いや不当な天引き問題が発覚している。不完全な統計によると、南昌市進賢県は2020年および2022年の2年分の教師に支給すべきボーナスを未だに支払っていない。未払いボーナスの平均金額は10万元(約190万円)に上るそうだ。
現在のところ、南昌市内の他の業種の公務員に対しては、給料未払いは生じていない。しかし、なぜか教師だけは「例外」だという。
教師の場合、給与から「公共積立金」という名目で天引きされるため、手取りの金額は以前に比べてさらに減少している。教師の実際の手取り給与は1600~1900元(約3万~3.6万円)程度だという。
中国メディア「澎湃新聞」によると、教師の給与未払いについては、地方政府の「財政難」が一般的な原因とされている。しかし一部の地方では、教育資金の使い込みなど不正支出の問題が、昔から存在しているという。
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