米下院倫理委員会は22日、中国共産党の女スパイと不適切な関係を結んでいたとされる民主党のエリック・スウォルウェル議員に対する2年間の調査を終了したと発表した。中国共産党のスパイ活動に警戒するよう促した。一方でスウォルウェル氏は調査を「虚偽の中傷」と非難している。
同委員会がスウォルウェル氏個人に宛てた書簡で明らかになった。同氏は、この書簡を自身の公式サイトで公開している。
下院倫理委員会は2021年4月から、スウォルウェル氏と中国人女性の方芳(ファン・ファン、別名クリスティーン・ファン)氏との交際に関して、議院規則や法律に違反した可能性があるという訴状に記載された申し立てを調査していた。
同委員会は書簡の中で「委員会はこの件に関してこれ以上行動を起こすことはない」とした上で「贈り物やその他の交流を通じた海外の工作員や政府による不適切な影響力工作に注意し、意識し続けるよう促す」と述べた。
米ネットメディア「アクシオス」は2020年、スウォルウェル氏がカリフォルニア州立大学イーストベイ校の学生として入学した方芳氏に籠絡されて情報収集に協力していたと報じた。米捜査当局は方芳氏を中国国家安全部(省)の情報部員とみなしているという。
報道によれば、方芳氏は2011~2015年に米西海岸を中心に「有望な地方政治家」と交流を深め、親中世論を作る工作や情報収集を行っていた。2014年には、スウォルウェル氏の中間選挙活動に参加し、事務所スタッフとして資金集めに協力するなど関係を深めたとされる。
2015年に、米連邦捜査局(FBI)から警告を受けてスウォルウェル氏は直ちに方芳氏との関係を絶った。一方でFBIの捜査対象と知った方芳氏はその直後に出国した。
スウォルウェル氏は、法に触れることはしていないとし、FBIに全面的に協力していると主張している。
「虚偽の中傷」
ケビン・マッカーシー下院議長は1月、セキュリティへの懸念を理由にスウォルウェル氏を下院情報委員会から解任した。発表を受けてスウォルウェル氏は決定を「政治的復讐」と痛烈に批判した。
また、23日に発表した声明で「(委員会は)いかなる不正行為も認定しなかった。偽りの中傷をした意図が、私を黙らせることであった」と強調。「今後も民主主義の熱烈な擁護者であり続ける」と述べた。
またツイッターに投稿した別の声明では共和党が同氏を黙らせるために「虚偽の中傷」をしたと非難した。
エポックタイムズはマッカーシー下院議長にコメントを求めたが、本記事掲載までに返答は得られなかった。
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