電気代の高騰に苛まれるのは日本だけではないようだ。
原子力発電所の稼働停止からロシア・ウクライナ戦争の資源価格高に加え、カーボンニュートラル、脱酸素政策推進によってガス、石炭といった従来型の発電が疎まれている。
カリフォルニア州は米国内で2番目に電気代が高い。不安定な太陽光、風力などの新エネルギーはかえって電気代を押し上げたのだ。
「気候変動」対応の大義を掲げるも現実路線を歩まないニューサム州政に、地元を愛するベテランのオピニオンライターは物申す。
(エポックタイムズ日本語編集部)
テスラを2023V8ドッジ・チャージャー・ヘミ870馬力のガス・ガズラー(燃費の悪い車)と交換することをお勧めする。ゴールデン・ステート、カリフォルニアの太陽の下で、生活を楽しむためにどれだけの炭素を使おうが、切り詰めたりしようが、地球の気温を下げることに実質的な効果がないことがわかるだろう。
上院歳出委員会の5月4日の公聴会で、ジョン・ケネディ上院議員(共和党)は、米国エネルギー省のデビッド・ターク副長官に質問した。米国が2050年までに、二酸化炭素の排出量と吸収量を相殺した状態、いわゆる「カーボンニュートラル」に移行した場合、地球の気温にどのような結果をもたらすのかを尋ね続けた。次は、「その達成のために約50兆ドルの費用がかかる」と言っていた専門家の言葉をターク氏が引用した後のやりとりの抜粋だ。
ケネディ:「我々が2050年までにカーボンニュートラルを達成するために50兆ドルを費やすとして、世界の気温はどれだけ下がるのか」
ターク:「世界中のすべての国が行動を起こす必要がある。現在、米国の排出量は世界の排出量の約13%になっている」
ケネディ:「ええ、でも私の質問に答えていただきたい。2050年までに米国でカーボンニュートラルを達成するために50兆ドルを費やす場合、エネルギー副長官として、世界の気温をどれだけ下げられるのか、概算を説明して欲しい」
ターク:「だから、まず第一に、50兆ドルというのは正味のコストのことだ。私たちが一緒に行動し、これらのコストと気候の恩恵を削減することから、どのようなメリットが得られるのかということだ」
そうしたやりとりが長く続いたが、ターク氏は的確な回答をしなかった。明らかとなったことは、カーボンニュートラルを達成しても、地球の気温が大きな影響を受ける結果にはならない。そして、50兆ドルを費やせば、2050年までに「カーボンニュートラル」が達成されるという保証でもあるんだろうか?
2023年の米国GDPは約26.5兆ドルと推定されており、これは50兆ドルのコストの半分強になる。
また、Choose Energyによると、2020年のカリフォルニア州からのCO2排出量は、米国全体が45億9200万トンであるのに対して3億340万トン、これは米国全体の6.6%に当たる。
従って、ターク氏が言ったように、米国の排出量が世界全体の13%である場合、同州の排出量は世界全体のわずか0.86%にしかない。
それでも「カーボンニュートラル」へ
記憶にあるかもしれないが、昨年11月、カリフォルニア州大気資源局(CARB)は、「同州は2045年までに炭素汚染ネットゼロを達成するため、世界初の計画を発表」という見出しの声明を発表した。
詳述すると、「今回、計画は更新された。ニューサム知事の新しい野心的な気候目標を達成するために、より速く行動するという方針に準ずるものだ。運輸部門における再生可能エネルギー、クリーンな建物、炭素除去、クリーンな燃料についての新しい目標を設定する。CARBが採用すれば、この計画はニューサム州政の気候コミットメントの重要な要素になる。100%のクリーンエネルギーグリッドを構築し、2045年までにカーボンニュートラルを達成、炭素の除去と隔離を強化して、有害な石油掘削から州民を保護し、州全体に持続可能なコミュニティを構築し、石油のない未来を築くために540億ドルを投資する」というものだ。
そのため、同州は2035年までに、新しい車両については100%ゼロエミッション化を義務付けている。だから、ドッジ・ヘミスはあり得ない。そして、2036年までには、新しいディーゼルトラックを禁止する。また、23年以上昔の列車エンジンは2030年までに禁止される。
中国は「カーボンニュートラル」?
カーボンニュートラルを公約に掲げている国が共産党政権下の中国だ。2020年9月、習近平国家主席は2060年までに「カーボンニュートラル達成」を約束した。彼は「より積極的な政策と措置を採用することにより、中国は、パリ協定の下で意図された国家の決定する貢献を拡大していく」と述べた。
驚くべきことでもないが、習主席が何よりも約束を守っていない。ガーディアン紙は次のように報じた。
「公式文書によると、2023年の最初の3か月間で、中国の地方自治体は2021年より多くの新しい石炭火力設備を承認した。グリーンピースの分析によれば、今年1月から3月の間に、2022年の同時期の8.63GWから少なくとも20.45GWの石炭火力が新たに承認された。2021年に承認されたのは、全体で18GWだった」
私はエポックタイムズの読者に「世界の石炭火力発電やその他のエネルギーの生産に何が起きているのか」、現実の問題、最新の状態を知って欲しい。それを米国やカリフォルニアと比較して欲しい。
半世紀以上の歴史を持つ科学者団体、憂慮する科学者連合によると、2023年に米国は9.0GWの石炭火力を撤退する予定だ。つまり、中国が2023年初の3か月で承認した20.45GWの半分がなくなることになる。
また、現地紙カリフォルニア・ローカルは、昨年10月に以下のように報じた。
「2022年の時点で、カリフォルニア州には、63MWの発電容量を持つ石炭火力発電所はサンバーナーディーノ郡のアーガスコーゲン発電所のみだ。対照的に、同州で最後に稼働しているサンルイスオビスポ郡のディアブロ・キャニオンの原子力発電所の容量は2.26GWで、石炭火力発電所の約36倍だ」
従って、カリフォルニアが石炭火力をすべて取り除いたとしても、それは中国共産党が3か月ごとに承認する新たな設備容量のわずか0.3%に相当するだけだ。
カリフォルニア州の「炭素」は、ガス火力発電と炭素駆動車にも由来する。重要なことは、同州が「カーボンニュートラル」の件で世界をリードしてはおらず、米国エネルギー情報局によると、国内で2番目に高い電気代を課している同州の高額な義務から、同州に住む人たちが逃げだすようにしむけただけである。
同州の電気代はkWあたり19.65セント、ハワイの30.31セントを下回っているが、隣接するネバダは8.58、アリゾナは10.73、オレゴンは8.95、主要なライバル州の場合でも、フロリダが10.67、テキサスは9.14と、ほぼ同じ電気代であることに留意すべきだ。
従って、サンシャイン州(米国南東部州)やローンスター州(テキサス州)に引っ越すと、蒸し暑い日にはエアコンを長く運転しなければならないが。カリフォルニアの所得税を支払う必要がないだけでなく、電気料金が半分になる。そうした州には虫がたくさんいるので、電気虫取り器の1つを購入する必要はある。
カリフォルニア州の「カーボンニュートラル」義務化は荒唐無稽な話だ。彼らは住民に損害を与え、彼らの多くを排除しているだけだ。
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