中国本土で封鎖解除後も、「健康コード」は使われ続けている。「健康コード」とは、中国が新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するために開発したデジタルツールで、個々の市民の健康状態や移動履歴を追跡し、感染症の拡大を抑制するためのものだ。
しかし上海では健康コードは「都市コード」に格上げされ、社会統治のツールの1つとなった。批評家たちは、中国共産党(中共)が健康コードによる管理を放棄しないのは「安定を維持する」ためだと考えている。
中国証券報のウェブサイトが報じたように、7月9日に上海で行われた記者会見で、上海市党委員会と上海市政府の指導の下で、上海健康コードを「都市コード」に機能アップグレードし、「1人1コード、1企業1コード、1物1コード」と、全方位の都市サービスと統治体系を構築するために急速に進展している。
重慶市では2021年末に「渝快コード」を開始し、「渝康コード」(重慶市の健康コード)の情報と、市内のさまざまなカード、コード、IDカードの情報を統合して1つのコードとし、「都市サービス一コードパス」として使用した。このコードは、流行時のPCR検査結果だけでなく、乗車、駐車、大学入試の点数チェック、本の貸し出しなど、今でも使われている。
時事評論家の岳山氏は11日、健康コードをアップグレードして使用することは、中共の専制政府が人民へのコントロールを強化する考え方と一致しているとエポックタイムズに語った。
また、中共は防疫を通じて政権安定を維持する新しいモデルを開発しており、健康コードは、中共がハイテクで作り出した個人の自由を制限する最も迅速で最も面倒の少ない方法であり、中共の以前のどの手法よりも効果的だと指摘した。
「まるで、全員が透明な電子足枷をはめられているかのようだ」と岳山氏は述べた。全国民の個人情報を掌握し、自分たちが信頼していない特定のグループを監視するのが非常に容易になるから、中共は健康コードを止めるはずがないと同氏は考えている。
ラジオ・フリー・アジア(RFA)の報道によると、上海は「都市コード」を最初に導入した都市であり、示唆的な役割を担っている。 上海人権活動家の陳さんは、上海の「都市コード」は「安定維持」のためのツールであり、1人1コードなら、どこにも行けなくなり、上海はただの始まりだと指摘した。
ネットユーザーは、ビッグデータ時代、「1人1コード」のおかげで、企業は申請者の身元を確認でき、銀行は顧客の最近の行動を調べることができ、病院は患者の医療記録や家計状況を調べることができるとコメントしている。一部のネットユーザーは、「都市コード」が悪徳業者に利用され、市民のプライバシーが侵害されるだけでなく、経済的損失にもつながると懸念している。
2022年11月10日には、中共国家衛生健康委員会、中医薬管理局、疾病予防管理センターが共同で「全国民健康情報化建設」の推進を加速し、2025年までに「統一的で権威のある、相互接続された相互運用可能な「全国民健康情報プラットフォームの支援保証体制」を初期的に構築すると提唱している。つまり、中国の国民一人ひとりが動的に管理される電子健康記録と電子健康コードを持つことになる。
岳山氏は2025年までに、中国は全国民が監視されるという「最悪の時代」に突入するのではないかと述べている。
今年3月に南方都市報が報道したところ、広東省が2月に「広康コード」(広東省の健康コード)のデータを削除し、無錫市公安局が3月にコロナ関連の個人データを破棄すると宣言したにもかかわらず、全国31の省(市、自治区)(香港とマカオを除く)の健康コードの大部分は依然として正常に使用できることがわかった。
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