中国投資は地政学的に見て「より危険に」=専門家

2023/07/30 更新: 2023/07/30

中国共産党(中共)は今年の経済成長目標を5%に設定したが、専門家は、パンデミック後、中国の経済回復が予想よりも遅く、経済を牽引する3つの産業が機能しなくなっていると指摘し、「地政学に対する感度が低いと、投資は必ず失敗する」と分析している。

台湾財信媒体の謝金河会長は自身のYouTubeチャンネルで、陳松興氏、蔡致中氏と中国経済について議論した。

謝氏によると、中共の今年第2四半期のGDP成長率は6.3%だが、この数値は昨年の比較基準が低かった。実際に、中国経済は低成長である。昨年はパンデミックとロックダウンの影響を受け、第2四半期のGDPはわずかに0.4%増加しただけ。ブルームバーグとロイターの調査予測によれば、中共の第2四半期のGDPは、第1四半期と比較して0.8%、0.5%しか成長しない可能性がある。

台湾『今週刊』のコラムニスト蔡致中氏は、中国経済は下降傾向にあり、多くの若者が「寝そべり」(過度の労働や競争から身を引いて、最低限の生活を送ることを志す)していることから見ると、「この数字は間違いなく偽造されている」と考えている。

中共経済を牽引する3つのエンジン産業が機能せず

台湾東華大学新経済政策研究センターの陳松興主任によると、経済を牽引する3つのエンジン、すなわち投資、消費、輸出が機能しなくなったから、中国経済の成長率は5%に達していないと述べた。

例えば6月の輸出は12.4%激減し、輸入は6.8%減少した。共産中国は輸出主導の経済体であるため、輸入が減少すれば、将来の輸出は更に衰退するだろう。

同氏は、中国経済は鉄道、道路などインフラや不動産への投資に過度に依存していると指摘した。

一部の人々が「中国は人口が多いので、『消費』に力を入れることで経済問題を解決できる」との主張に対して、それは「白昼夢」と述べた。

なぜなら、中共政権は消費者や国民を抑圧する体制だからだ。習近平氏は軍事大国と経済大国を作り上げることを望んでおり、そのために国家資源は軍事と経済建設に注がれている。

これにより、民間企業には資源が残されず、また医療保険などの社会保障投資も長期的に無視されてきた。だから、国民は何かが起きたらお金がないのに備えて、消費する余裕はない。

陳氏によれば、民主主義国家では家庭の消費は通常、GDPの約60~70%を占めるが、中国の家庭消費はGDPに占める割合が世界で最も低い国の1つである。「だから、みんなが仕事を失っているタイミングで、どうやって消費で経済を支えるのか?」と同氏は問いかけた。

生産拠点は海外へ移転

謝金河氏によると、今年上半期、中国から米国への輸出額は17.9%減少した。2009年以降、中国は米国の最大輸入相手国となり、米国における総輸入額の20%以上を占めていた。

しかし、この3年間でその比率は急落した。今年1~5月までの期間において、米国の輸入額は13.4%にまで下落した。一方で、メキシコとカナダのは中国を抜いて、米国の輸入額はそれぞれ16%、15%に達した。

現在、各国は徐々に生産拠点を中国から移動させている。インドが新たなアジアの生産拠点となり、中国に取って代わる可能性が高まっており、インドネシア、タイも生産拠点として注目されている。一方、中国では高失業率とバブル崩壊が進んでいる。

謝氏は、「地政学リスクを意識できなければ、投資は必ず失敗」と指摘している。

蔡致中氏は、パナソニックが6月に、家庭用エアコンの中級機と高級機の生産を中国から日本に移管すると発表した。生産移管の投資額は約100億円であると言及した。

蔡氏は保守的で安定的な長期投資家である日本の大手企業でさえ、このような重大な投資の変化を行い始めているなら、この傾向は変わらないだろうと強調している。
 

鍾元
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