洪水で甚大な被害を受けた河北省保定市の涿州市。現在、一部の地域では水は引いているが、全ては様変わりしてしまっていた。
所々に犠牲者の遺体が散見され、更に家畜の死体やゴミが散乱するなど、至るところで悲惨な光景が広がっている。
多くの幹部が被災地を視察に来たが、ネットユーザーたちは、「『救援』よりも『芝居』と読んだ方がふさわしい」と皮肉っている。
また、中国軍が所有していると思われるヘリコプターが、保定の役人を乗せて被災地を視察中に墜落し、機内の10人以上が犠牲になったと言われているが、政府側からの公式なコメントは無い。
洪水が引いた後、幹部たちが被災地視察
涿州の洪水は天災ではなく、人為的な災いだと指摘されている。当局は北京と雄安を保護するために、再び警告なしに放水したことで、涿州に大洪水が起こり、その水深は12メートルに達したと言われている。
中国のネット上では「尋ね人広告:災害発生以来、政府の人を見ていない。市長や書記はどこへ行った。危機管理の責任者は、どこにいるんだ?」という投稿が拡散されている。洪水が引いた後、ネット上には、幹部たちが被災地を視察するために続々と訪れたという報道が伝わっている。
河北省の省長をはじめとする幹部たちは、8月3日に洪水が引いた涿州の被災地を視察しに行ったが、それはただの芝居だと批判されている。
更に、ネット上に流される動画では、8月3日の朝、涿州市の范陽橋の水が引いた後、保定市長などの高官が「救援活動」のためにやって来て、「救援活動」の写真を撮っている様子が映っている。
ネットユーザーからの情報によれば、8月4日に第82集団軍のヘリコプター部隊に属すとされるヘリコプターが淶水の救援活動中に行方不明になった。機上には参謀長、機械士、パイロット、そして河北の救援関連の役人など、合わせて10人以上が犠牲になったと言われている。
ラジオ・フリー・アジアは8月7日に、同放送の記者が中国軍関連の情報筋から得た情報によれば、陸軍の第82集団に所属すると思われるヘリコプターが、5日に保定のいくつかの部の役人を乗せて涿州の洪水地域を巡視中に墜落し、機上の十数人が全員犠牲になったと報じた。
記事によると、死者には軍の副参謀長と、保定市応急管理局の副局長、保定市交通局の研究員を含む少なくとも4人の副局長と官製メディアの記者1人が含まれていたという。
今のところ、中共軍も政府関係者も事件に関する情報を広報していない。同局の記者は、保定市と河北省の複数の政府機関に何度も電話をかけたが、明確な回答はなかった。
ネットユーザーたちはコメントで皮肉っている。
「『救援』という言葉を『芝居』に変える方がぴったりだ」。
「彼らが死んだのは(中国共産)党のための犠牲であり、一般の人々とは関係ない。死んだ後も(遺族は)豊富な補償がもらえる。それは(なんの補償もない)村の住民の死とは異なる」
「まさかあの救援のフェイク映像を撮影していたヘリコプターが墜落したのか」
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。