[ヨハネスブルク 22日 ロイター] – 新興5カ国(BRICS)サミット(首脳会議)が22日、3日間の日程で開幕した。世界的な影響力を高め欧米の対抗軸になるようBRICSの拡大を目指すが、重要な協議に先立ち、BRICS内の見解の相違が再び浮上した。
中国の習近平国家主席はBRICSビジネスフォーラム向けの発言で「今、世界の、時代の、そして歴史の変化がかつてない形で展開され、人類社会に重大な岐路をもたらしている」と指摘。「歴史の流れはわれわれの選択によって形作られるだろう」と述べた。
習主席はフォーラムに直接出席せず、中国の王文涛商務相が習主席の発言を代弁した。出席しなかった理由は不明。南アフリカのラマポーザ大統領、ブラジルのルラ大統領、インドのモディ首相は出席した。
習主席はまた、ラマポーザ大統領と二国間会談を実施。ラマポーザ大統領は、両国はBRICSの拡大に関して「同様の考え」を持つと述べた。
一方、ルラ大統領の発言がBRICS内の見解の相違を示唆した。ルラ大統領はソーシャルメディアの生中継で、BRICSは新興国・途上国の組織化を目的としており、米国や主要7カ国(G7)、20カ国・地域(G20)に対抗するためのものではないと述べた。
サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は22日、「BRICSは非常に多様な国の集まりであり、重要な問題については見解の相違がある」と指摘。米国はBRICS諸国が地政学的な競合相手になるとは考えていないと述べた。
今回のサミットではBRICS拡大を巡る議論だけではなく、貿易や金融取引における加盟国の自国通貨の使用を促進し、米ドルへの依存を軽減することも議題となっている。
ロシアのプーチン大統領は事前に録音された声明で「われわれの経済関係の脱ドル化という客観的かつ不可逆的なプロセスは勢いを増している」と述べた。
プーチン大統領はウクライナにおける戦争犯罪容疑で国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状が出ており、サミットにはロシアのラブロフ外相外相が代理で出席する。
南ア当局者によると、BRICSの共通通貨については協議されないという。
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