日本政府は2月13日、日本の排他的経済水域(EEZ)内で中国の漁船トロール船を拿捕した。今回の拿捕は、日本政府が中国共産党(中共)に対して軍事面で挑戦する意思を強めつつあることを象徴する出来事だ。
高市早苗首相は最近、台湾に関する発言の中で、中国人民解放軍(中国共産党軍)が台湾に侵攻した場合、日本が台湾という民主主義の島を軍事的に防衛する可能性を検討するとの認識を示した。これに対し、中国共産党政府の指導部は強い不快感を示した。
中共政府に対抗できる水準まで日本が本格的な再軍備を実現するには、一朝一夕にはいかない。日本は平和主義憲法の改正、防衛費の大幅な増額、さらに独自の核抑止力の保有を検討する必要がある。
中共政府は現在、自国の核戦力を急速に拡大している。これには小型の戦術核兵器も含まれており、中共が台湾を封鎖した場合、その封鎖を破ろうとする国に対して使用される可能性がある。ロシアと戦うウクライナは核兵器を保有していないため、核報復を誘発することを恐れてモスクワ市への通常攻撃を控えざるを得ず、戦略的に大きな不利に置かれている。
日本の防衛費は1961年から2018年まで国内総生産(GDP)の1%未満に抑えられていた。こうした長年の低水準により、自衛隊は現在も装備や組織体制の整備が遅れている。日本の防衛費がGDP比2%へと向かう傾向を示し始めたのは、ここ数年のことである。
しかし、中国および中国の同盟国に対抗するためには、日本の防衛費は北大西洋条約機構(NATO)が新たな基準として掲げたGDP比5%水準に到達する必要がある。さらに日本は、防衛産業基盤を強化するため、殺傷能力を持つ軍事装備の輸出を認め、戦略鉱物の供給網を確保する必要がある。
しかし現実には、中共政府は圧力がかかった場合の日本の強さや、日本の同盟国の信頼性を疑問視している可能性がある。中共の急速な軍事拡張にもかかわらず、日本が依然として平和主義憲法を維持している状況は、中国共産党の習近平指導部にとって不可解に映っているかもしれない。
日本の姿勢は日本の有権者にとって道義的には受け入れやすいかもしれないが、中国共産党政府が日本は自国の領域を守るために戦わないと判断した場合、重大な危機を招く可能性がある。もしその防衛線が突破されれば、条約に基づき米国は同盟国である日本を防衛する義務を負う。米国がそれを履行しなければ、第二次世界大戦後に形成された米国主導の国際秩序、いわゆる「パックス・アメリカーナ」はさらに弱体化する可能性がある。
実際、この平和秩序は近年、中国の領土侵入に対する対応の欠如によって徐々に侵食されてきた。中国海警、中国共産党軍、そして中国人民武装海上民兵(PAFMM)は、日本の排他的経済水域を含む海域に侵入してきた。
海上追跡データと衛星画像によれば、2025年12月末から2026年1月初旬にかけて、最大約2千隻のPAFMM船舶が編隊を組んで活動していた。これらの編隊は日本のEEZと重なる海域に展開していたとみられる。
その編隊は直角や数百マイルに及ぶ直線状に船舶を配置する形で組まれていた。こうした配置は、統制されていない漁船団では自然には生じないが、台湾封鎖を支援する遮断隊形として機能する可能性がある。
この編隊は、単一の軍事作戦または演習において動員された民間船舶の数としては過去最大規模だ。この規模は、1940年にフランスでナチス軍に包囲された英国軍を撤退させたダンケルク作戦と比較できる。当時は英国とベルギーの漁船やプレジャーボート約700〜850隻が動員された。
数の面でのもう一つの比較例は、1944年のノルマンディー上陸作戦だ。この作戦では、伝統的な軍艦に加えて約2700隻の米国商船隊の船舶が使用された。中国人民武装海上民兵が防衛ではなく侵攻に利用され、さらに市場民主主義ではなく共産主義の拡張を目的として用いられる可能性がある事実は、深刻に受け止める必要がある。
これらの侵入は、中国共産党が数十年にわたり進めてきた段階的な領土拡張の一部であり、その対象には海域も含まれている。この拡張の歴史には、1930年代に中国国内で行われた軍事行動、1949年に始まった台湾への複数回の攻撃、金門島への攻撃などが含まれる。
さらに中国共産党は1950年代に米軍および韓国軍に対して軍事行動を行い、1960年代にはインド、1969年には旧ソ連、1970年代にはベトナムに対して軍事衝突を起こした。
米国と正式な防衛条約を結んでいる日本やフィリピンに対する脅威は、これらより慎重な形で行われている。しかし、中国人民解放軍によるフィリピンへのグレーゾーン攻撃や、日本に対する威嚇的な軍事行動は、中国にとって全面戦争を引き起こすリスクを負わずに小さな利益を積み重ねる手段となっている。これには、ほぼ毎日のように行われる戦闘機の飛行や海軍の機動も含まれる。
海域における軍事行動としては、1974年に中共海軍が南シナ海の西沙諸島を攻撃した事例がある。当時、西沙諸島は米国の同盟国である南ベトナム政府の主権下にあった。
攻撃当時、米国の空母は近くに展開していたが、西沙諸島の南ベトナム軍に対して支援を行わなかった。この出来事は、米国が南シナ海における中国の拡張主義を阻止するために積極的な行動を取らない可能性があるというシグナルを中共政府に送った。当時のリチャード・ニクソン米大統領は、中国との経済関係の開放を優先し、この問題を黙認していたとみられる。
中国は1972年の関係改善、1979年の国交樹立、そして2001年の世界貿易機関(WTO)加盟によって、世界第2位の経済大国へと成長した。しかし、中国の政治体制が権威主義から転換するという期待は実現していない。その代わりに、中共政府は段階的な戦術を通じて周辺領土を獲得しようとする強い拡張志向を示し続けている。
現在、中共政府は日本および韓国の排他的経済水域に近い海域で天然ガス施設や漁業プラットフォームとみられる構造物の建設を進めており、日本政府と韓国政府はこれに抗議している。韓国のEEZ付近に建設された施設は、2001年の中韓合意にも違反している。
中共政権による威圧的行動に対して、日本と同盟国はより強硬な対応を取るべきだ。しかし、そのような対応は現時点では見られていない。ここ数か月、中共政権は日本および韓国のEEZを著しく脅かしているが、目立った対応は行われていない。
中共がこれらのプラットフォームを建設していることに対し、米国、日本、韓国による経済制裁はどこにあるのだろうか。
さらに、既成概念にとらわれない対応策も検討されるべきである。例えば、違法に建設された構造物を破壊または機能停止させる特殊部隊の投入などが考えられる。このような作戦は関与を否定することで、事態のエスカレーションのリスクを抑えることができる可能性がある。
世界で最も危険な独裁体制が、その規模と増大する力を背景に、段階的な戦術によって拡張を続けることを民主主義諸国が許す理由はない。中国共産党の影響力と力の拡大を封じ込めるためには、より強硬で創造的な防衛策が必要である。

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