差し迫る中国の経済危機は、中国共産党(中共)による台湾侵攻の時期を早める可能性があるーー。米下院中国特別委員会のマイク・ギャラガー委員長はエポックタイムズの取材で「台湾有事は最も危険な局面に入った」と警鐘を鳴らした。
世界第2位の経済大国である中国を牽引してきた不動産セクターがデフォルト(債務不履行)に見舞われ、不動産バブル崩壊が危惧されている。また、大学新卒者の就職状況も悪化し、6月には過去最高の失業率を記録した。
同委員会のマイク・ギャラガー委員長は、長い間蓄積されてきた危機が表面化してきた今、中共は「近い将来さらに攻撃的になり」、台湾侵攻に踏み切る可能性が高いと分析した。
「おそらく中国共産党は台湾を武力で奪取する計画を早めている。国内の経済問題から国民の目をそらすためでもあるし、今が一番よいチャンスだと捉えているからだ。台湾をめぐる中国との武力衝突に関して最も危険な局面に入ったと言える」
ギャラガー氏はまた、台湾が中国の手に落ちれば「世界の他の地域を経済的に人質に取ることができる」と危機感を示した。台湾は、半導体の世界的な生産拠点のため、侵略があれば、世界経済は最大で年間1兆ドル規模の打撃を受けると推定されている。
さらにギャラガー氏は台湾有事が現実味を増す一方で、米国は「準備不足」だと指摘。「中国共産党による台湾侵攻を阻止するためには、あらゆる手段を尽くす必要がある」と強調した。ウクライナに対する米国の安全保障支援は8月中旬時点で430億ドルを超えており、米国の武器備蓄は「危険なほど低い」レベルに達している。
自滅への助長
ギャラガー氏は、米ブラックリストに載る中国企業への投資を促進しているとして、中国特別委員会が実施した資産運用大手「ブラックロック」と米株価指数算出会社「MSCI」への調査にも言及した。
同委員会は、両社が、中国の軍事的発展や人権侵害を助長していると米政府が判断した企業に、米資本の流入を促進したと主張。その中には、米国人のDNAを採取し、世界最大のバイオデータベースを構築していると指摘されている中国ゲノム解析大手の華大基因(BGI)も含まれる。
「共和党であろうと民主党であろうと、米国の資金をこのような企業に投資すべきだとは誰も思わないだろう。私たちはある意味、自国の破滅を助長しているのだ」
ギャラガー氏は、中国市場から利益を得たいとまだ期待している米国の投資家に対し、相手にしているのは「短期的には戦争で脅かし、長期的には世界を支配しようとするマルクス主義・レーニン主義政権である」ことを理解するよう呼びかけた。
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