台湾の対中当局者が注意喚起 中国でスパイにされないための「7つのタブー話題」

2023/08/29 更新: 2023/08/29

今月24日、台湾で対中政策を担当する大陸委員会の詹志宏(せんしこう)副主任委員(副大臣に相当)兼報道官は記者会見で、中国へ渡航する際に「スパイのレッテルを貼られないため」の注意点について説明した。

中国では、今年7月1日から「反スパイ法」が強化(同法の施行は2014年から)された。これは、いわゆる「スパイ行為」の適用範囲を拡大するとともに、摘発機関の権限を強化し、国民にも通報(密告)を奨励している。

国際社会からは、この法律が恣意的かつ無制限に運用される恐れがあると懸念されており、在留外国人の間でも不安が広がっている。

中国当局は近頃、一部の「敏感データ」の対外公開を中止していることから、こうした情報がタブー(禁忌)となる可能性がある。そのような情報の入手や公表は、中国側から「情報を探った」と見なされて、スパイのレッテルを貼られるリスクが高いと詹氏は警鐘を鳴らした。

このほか詹氏は、中国へ渡航した際に「触れてはいけない、7つのタブー話題」について列挙した。

それらは、「中国の若者の失業率」「中国の土地開発業者が購入した土地の数量や金額」「外国為替資産の数値」「債券取引に関するデータ」「新型コロナの死亡者数」「政治家や中国共産党幹部の個人情報や背景を探ること」「中国共産党の政策を批判すること」である。

中国当局が上記のような「敏感データ」を対外公開しない理由について、一部のアナリストは「これらの情報によって(中国国内の)社会不安が引き起こされるのを防ぐためだ」と分析している。

台湾の大陸委員会はさらに、中国に行く前の注意事項として、携帯電話やパソコンのなかに中国当局から罪に問われる可能性のあるデータが入っていないか十分確認するよう勧告した。

近年、中国に渡航した多くの台湾人が「スパイ容疑」で逮捕され、有罪判決を受けている。

「反スパイ法」施行後、台湾だけでなく、米国も自国民に対して中国へ渡航する際のリスクを考慮するよう勧告している。この影響により、中国に進出している多くの外資系企業が相次ぎ撤退しており、中国を訪れる外国人旅行客の数も大幅に減少した。

カナダ在住の著名な中国民主活動家の盛雪氏は、NTD新唐人テレビに対し、次のようにコメントした。

「中国当局は、彼らが思う疑わしい者、嫌いな者、あるいは報復や処罰をしたい人物に対して、反スパイ法を恣意的に適用することができる。人々が、自分の身の安全を考慮するならば、できるだけ中国へ行かないようにするのは当然だ」

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、アナリストの分析を引用して、中国を訪れる外国人観光客の減少は、北京(中国)と西側がデカップリングするもう一つの兆しであり、これは中国経済に長期的な影響を及ぼしかねないと指摘している。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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