バイデン米大統領は、経済状況が苦しい中国に「以前のような力はない」とし、台湾を侵略することはできないと判断しているようだ。
10日(現地時間)、ベトナムを国賓訪問したバイデン大統領はハノイで記者会見を開き、「近いうちに中国の習近平国家主席と再会できることを期待している」と語った。
この日、バイデン大統領は「私は習近平氏と過去12年間、他のどの首脳よりも多くの時間を過ごした」と述べた。
2022年11月のG20首脳会議以来、バイデン氏と習近平氏は会っていない。バイデン大統領は取材陣に、中国の青年失業など経済的困難を挙げ「習主席氏は今やるべきことが多い、両手がいっぱいだ」と答えた。
また、バイデン氏は「私の参謀たちは今でも習近平氏の閣僚に会っている。今日、インドでも李強首相に会った」と述べた。 その上で「習近平氏と直接会わなかったからといって危機ではない」と強調した。
インドのニューデリーで開催された今回のG20首脳会議に習近平氏は欠席し、代わりに李強氏が出席した。習主席の欠席の理由は正確には明らかにされていない。
これに対し、バイデン氏は「現在、中国は国際的な成長とその欠如、および中国が推進してきた政策などと関連することなど、様々な理由で経済的困難を抱えている」と指摘した。
その上で「このような経済状況から、中国が台湾を侵略する可能性はないと思う」と説明し、「実際には逆に、中国は以前からそのような能力を持っていなかったのだろう」と語った。
続いて、米国が中国を抑止する意思がないことも改めて明らかにした。バイデン氏は「中国を封鎖したり、孤立させようとする意図は全くない」とし、「ただ、中国が国際的な規範に従うことを望んでいる」と伝えた。
中国は当初、今年のGDP(国内総生産)成長率5%達成を目標としていたが、不動産危機と青年失業危機、消費支出の低迷、信用成長の鈍化などで中国経済は低迷を免れない。
昨年8月の中国の消費者物価指数(CPI)は辛うじてプラス0.1%を記録したが、予想を下回る数値だ。輸出と内需は依然として低迷している。不動産危機も続いている。
中国共産党の台湾侵攻推進の可能性
問題は中国共産党(中共)である。中共政権は、自由民主主義国家である台湾に対し、手段を選ばず、中国本土と統合しなければならない裏切り者とみなしている。
中共が台湾に対する軍事的圧力を強化する中、中国の台湾への軍事的威嚇は連日発生している。実際、バイデン大統領の記者会見の翌日である11日、台湾国防省によると、前日午前6時から同日午前6時まで、中国軍用機26機と軍艦13隻が台湾周辺で発見され、このうち11機が台湾海峡の中央線を越えた。
これに対して台湾も軍用機や軍艦、ミサイルシステムを配備して警戒監視活動を行った。
米国の東アジア安全保障専門家である章家敦氏は、バイデン氏の立場とは逆に「中国の国内問題により、習氏が台湾侵攻を開始する可能性がある」という意見を示した。
先月、豪州のシドニーで開かれた保守政治行動会議(CPAC)で演説者として登場した章家敦氏は、不動産価格の暴落と経済低迷、食糧不足と環境問題、地方政府の債務超過など様々な要因を挙げ、「中国は危機に陥っており、そのため習主席には戦争を起こす動機ができた」と発言した。
演説後のエポックタイムズとのインタビューでも、「習近平氏はこのすべての問題について自分が非難されていることを知っている。そして、自分には問題に対する解決策がないという事実も知っている。だからこそ、中国国民の視線を自分が犯した政策上の過ちから、他の場所に向けるために戦争を始める可能性がある」と繰り返し強調した。
中共が戦争をする余裕があるかという質問には、「そうだ」と簡単に答えた。
「彼らが戦争する準備ができているとは思わないが、それは戦争を起こさないという意味ではない。これは、彼らが私たちを奇襲することができるという事実を意味する」と述べた。
また、共和党の下院議員であるマイク・ギャラガー氏も米外交問題評議会(CFR)で「中国が深刻な経済と人口問題に直面するにつれて、習近平氏はリスクを受け入れることを好むようになり、予測が容易ではなく、非常に愚かなことをするようになるかもしれない」と述べた。
呉釗燮・台湾外交部長は、習氏の3期目の任期が終わり、新たな任期を模索する2027年が最も敏感な時期になると予測した。
今年初め、呉氏はあるメディアとのインタビューで「2027年、習近平氏は4期目の任期を始める可能性が高い」とし、「3期すべての任期を通じて明らかな業績を立てることができない場合、習氏は自分の業績として打ち出す別の何かを思い浮かべるだろう」と付け加えた。
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