子供たちの「快楽の権利」
国際家族計画連盟(IPPF)は他のグローバルな非政府組織とともに、WHOや国連と協力し、「子どもの性の権利」を「人権」と位置づけた。
IPPFが策定した「宣言!若者のための『性の権利』ガイド」は、部分的に国連の「子どもの権利条約」に基づいている。
この条約に由来する、若者の「進化する能力」という概念は、若者が自ら意思決定できるところまで成熟しつつあることを評価するよう、指導者や社会に対して求めている。
IPPFの「性の権利ガイド」は、子供や青少年には快楽的な性行為を行う権利があり、18歳未満の者は性の権利を含むあらゆる人権を享受すべきであると述べている。
この文書の冒頭には「若者は性的な存在だ。彼らには性的な欲求、願望、空想、夢がある」とある。
それから、「健康的で、前向きで、楽しくて、安全な方法で、自分の性的関心を探求し、経験し、表現できることは、世界中のすべての若者にとって重要だ」と続けている。そして、子どもたちは親の「干渉」から解放され、成熟度に基づいて性に関する決定を下すことができると主張している。
またこの文書では、法律が年齢によって子どもの「性の権利」を差別すべきではないと述べている。
「若者はそれぞれのペースで成長するため、誰しもに共通するある年齢で、特定の性の権利や対策の重要性が左右されることはない」
こうした見解は、別の文書「性、生殖、薬物使用、HIV、ホームレス、貧困に関連する行為を禁止する刑法への人権に基づくアプローチのための3月8日の原則」にも反映されている。
この文書は、非営利団体「国際法律家委員会(ICJ)」によって作成され、世界中の弁護士によって承認された。文書は、「国内で規定された性行為の最低同意年齢に満たない者が関与する行為は、法律外であったとしても、実際は同意に基づいている可能性がある」としている。
ICJは「子どもの性的虐待」を非難しながらも、18歳未満との性交渉は、その人の「能力」が十分に「進化」していれば、虐待には当たらないと主張している。このような場合、国際人権法が要求しているのだから、刑法はより寛大に適用されるべきだとICJは主張している。
危険な構想
トランプ政権時代に米教育省に勤務していたメグ・キルガノン氏は、子どもたちの権利を親から引き離そうとする「危険な構想」が、国内外で繰り広げられていると指摘している。
その構想は「親は子どものことを一番に考えていない」という前提に立っているという。
キルガノン氏は、国際的な団体が相互に協力して、子どもたちの性的同意年齢を引き下げようとしていると考えている。
「政府機関から出てきたように見えているのは、家族計画連盟、トレバー・プロジェクト、ゲイ・レズビアン&ストレート教育ネットワークなどの米国内の組織が独自に策定している性教育に関する『偽の国内基準』だ」
「実際彼らは、自分たちなりの性教育を宣伝している利権団体にすぎない。彼らの取り組みは、子どもたちに性について教えようとするグローバルな動きと一致している」
「彼らは、アルフレッド・キンゼイなどの疑わしい科学を熱心に推し進めている」
アルフレッド・キンゼイは米国の性科学者・動物学者で、1947年にインディアナ大学に研究所を設立した。現在は、「キンゼイ・セクシュアリティ・ジェンダー・生殖研究所」として知られている。
キンゼイは、子どもは生まれながらに性的な存在であり、性的な反応を示すことができると教えた。また、彼の研究の公式見解には、小児性愛者の意見も含まれていた。子どもたちは快楽的な性体験をできると、小児性愛者らは断言したという。
非営利組織「フォー・キッズ&カントリー」の創設者であるレベッカ・フリードリヒス氏も、子どもの性を人権として支持する昨今の動きは、キンゼイにまで遡ることができると考えている。
フリードリヒス氏はカリフォルニアで教師をしていたが、退職後は米国の教職員組合との闘いに身を投じた。彼女はそれらを「教育マフィア」と呼んでいる。
米国での小児期性教育
全米教育協会のような教職員組合は、未成年の妊娠や性病の解決策として性教育を推進してきた。
「親が家庭で子供に性について教えていないので、学校が間に入って行う必要があると彼らは主張してきた」とフリードリヒス氏は言う。
しかし実際には、小児期の性教育はモラルや境界線を崩壊させ、親子の間に楔を打ち込むと彼女は述べる。
教師が自分の性的指向について生徒に語り始め、性に関する議論に生徒を引き込むようなことがあれば、保護者は憂慮すべきだという。
「それはグルーミングだ」とフリードリヒス氏は直言している。「グルーミング」とは、性犯罪の文脈において、性的虐待を目的として未成年の子どもと親しくなり、手なずけることを指す。
「マルクス主義に基づく急進的なジェンダー理論や人種理論、情操教育と同様、小児期の性教育の目的は分断と征服だ」
「組合は、すべての子どもたちが政府運営の学校で洗脳されることを望んでいる。これは1960年代から続いてきた」
2022年、テキサス州では、米保健福祉省の助成金プログラムを通じて提供された小児期性教育のカリキュラムに対して、親たちが反発した。キリスト教系の非営利団体「シチズンズ・ディフェンディング・フリーダム」ニュエセス郡支部の親たちが、コーパスクリスティ市のいくつかの学校で「プライドのある選択を!」と題されたプログラムを阻止したのだ。
10代の妊娠と性病を減らすことを目的としていたこのプログラムに対し、「子どもたちを性的に目覚めさせようとしている」といった声が相次いでいた。
しかし、これはほろ苦い勝利だった。
このプログラムが他の学校でもひっそりと導入されることが懸念されている。連邦政府の助成金プログラムは、小児期性教育を授業に加える構想を全米の学校区に売り込もうとする非営利団体に数百万ドルを支給していた。
フリードリヒス氏は、全米家族計画連盟のような非営利団体が性教育において重要な役割を果たしていると述べている。
家族計画連盟が提供する教育基準は、5年生までは触られたら「嫌だ」と拒否する権利が子供にあるとしている。しかし、彼らの文書によれば、6年生になると、拒否することを教わる代わりに、性的同意について教わるという。
「同意を促進することは、同意した子どもとの性行為は容認されるという考えを助長し、小児性愛の常態化につながる可能性がある」とフリードリヒス氏は述べた。
「小児期性教育は、性同意と、子どもが性行為をする権利を要点としている」
彼女は、「親権は子供を危害から守るためのものだ」と述べている。子供が性に関する重大な決断を自分で下すことを許せば、親の保護を妨げることになる。
家族計画連盟の研究部門で、リベラル派のシンクタンクであるガットマッハー研究所は、性的同意について教える意図をウェブサイト上で次のように説明している。
「禁欲一辺倒のメッセージを押し返すには、同意が鍵になる」
「学校は生徒に性行為にNOと言う方法を教えつつ、若者のYESと言う能力を認めるのだ」
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