米マサチューセッツ州の病院で約450人がHIVやB型肝炎、C型肝炎に感染した可能性がある問題で、患者側は病院と職員を相手取り集団訴訟を起こした。
同州セーラム病院は今月初旬、過去2年間に大腸内視鏡や腹腔鏡、気管支内視鏡を含む内視鏡検査を受けた患者が、これらの病原体に暴露された可能性があると公表。詳細は明らかにしていないが、静脈内薬剤の投与が「最善ではない方法」で行われた結果だとしている。
同州高等裁判所に17日までに提出された記録によると、感染の可能性がある患者らはセーラム病院および10人の職員に対して、集団訴訟を提起した。「病院の不注意によって、人生が変わってしまうかもしれない状況に陥った」と患者代表は弁護士を通じて声明で述べた。
ピープル誌によれば、セーラム病院は感染の可能性がある患者に対してB型肝炎、C型肝炎、HIVの検査を行ったが、現時点では感染は確認されていないという。
病院側は声明の中で「私たちは影響を受けた人々に心から謝罪し、私たちの地域社会に高品質で思いやりのある医療を提供することに引き続き尽力します」と述べた。
B型肝炎とC型肝炎は主に血液や体液を介して発症する肝疾患で、治療しなければ肝硬変・肝がんに進行する可能性があるため、早期治療が望まれる。HIVは、治癒は不可能だが、抗HIV薬で病気の進行を抑えることが可能だ。
同様の医療事故は2018年にも起きている。ニュージャージー州のヘルスプラス外科センターでは、3000人以上の患者がB型肝炎、C型肝炎、HIVに暴露された可能性があった。ニュージャージー州保健省の調査により、同センターが医療器具を適切に洗浄していなかったことが明らかになった。
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