中国共産党(中共)が「香港国家安全維持法」を施行して以来、徐々に中国本土化されてきた香港。今、多くの香港人が香港を離れる選択をしている。
国際的な専門機関が最近行った調査によると、香港の専門家の半数以上が香港を離れる計画を立てており、そのうち15.6%はできるだけ早く香港を離れたいと考えている。別の調査によると、香港の親の約7割が子供に海外での教育を望んでいる。
香港を離れる計画の専門家のうち96%が海外での就労に備えている
英国の人材紹介会社ロバート・ウォルターズが行った調査によると、専門的な技能や知識をもった人材の半数以上が香港を離れる計画を立てているという。
そのうち15.6%はできるだけ早く香港から離れたいと考えており、36.7%が今後3〜5年以内に香港を離れる予定であり、香港から離れることを計画しているこうした人材のうち、27~42歳が51%を占め、38%は43~58歳だという。
この調査では、香港を離れようとしている人材の96%が海外での仕事に備えていることが示されている。最も一般的な選択は、多国籍企業での勤務で、60%の回答者が採用している。
また、香港から離れることを計画している40%の回答者が既に海外での仕事に応募しており、31%は海外での仕事に備えてトレーニングや学習を開始している。
この調査は、会計、エンジニアリング、金融サービス、医療、法務とコンプライアンス、セールス、マーケティングなどカバーしている。
香港の親の7割が子供の海外での中等・小学校教育を望む
また、国際金融機関が公表した「海外留学計画調査」によると、香港の親の約7割が子供に海外での小中学校で学ぶことを望んでいる。
今年の7~8月にかけて、英国の金融機関プルーデンシャル(Prudential plc)は、海外留学を計画している18歳以上の人々や、その子供を海外の学校に送りたいと考えている家族を対象に、オンラインアンケートを実施した。
その結果、回答した家庭の51%が、子供を中学段階で海外の学校に送る計画があるか、すでに送っていることが分かった。また、16%の家庭は、そのタイミングを小学校段階まで前倒ししている。
調査によると、海外留学を希望する人々は、夢を追求するため(59%)、昇進の機会を増やすため(56%)、個人的な興味を広げるため(54%)といった理由で留学を考えている。
最も人気の留学先トップ3は、英国(40%)、カナダ(16%)、豪州(14%)であり、短期間のコースでは日本が人気(19%)である。
同時に、今年の9月にはHSBC銀行が初めての「生活品質レポート」を発表した。このレポートは、中国本土、香港、インド、マレーシア、メキシコ、シンガポール、アラブ首長国連邦、英国、米国の9つの異なる市場から、2250人の回答者のデータを収集し、彼らがどのように良好な生活品質を定義しているかを調べている。
調査結果によると、香港の生活品質スコアは68点で、世界平均の75点を下回っている。具体的には、身体的健康は65点、精神的健康は61点、財政面は80点で、いずれも世界平均(73、70、82点;満点は100点)より低い結果である。
中共の「一国二制度」、空虚な約束となり多くの香港人が脱出を選択
近年、香港の将来に対する外部の関心が高まっている。1997年、イギリスが香港の主権を中国に移譲する前に、中共は「一国二制度」を香港に導入し、今後50年間、高度な自治権を保証し、香港が西側のモデルを維持することを約束した。1984年、中共は「中英共同声明」に署名し、この声明は国連で記録された。
香港は1997年に中国への返還され、そこから中共政府が約束した「一国二制度」は徐々に形を失い始めた。2014年から、中共政府は「中英共同声明」を「歴史的文書であり、現実の意味はない」との見解を示し、同年、香港市民は本当の普通選挙を求め「占拠運動」(雨傘運動とも呼ばれる)を行った。2019年には、民主的な「反送中」抗議活動が爆発した。
2020年6月30日、中共政府は「香港国家安全法」を施行した。その後、香港の司法の独立と報道の自由はほぼ完全に破壊され、数百人の民主活動家が投獄され、数万人の住民が香港を離れる選択をした。
2023年11月29日、米下院外交委員会は、党派を超えた39票の賛成、0票の反対で「香港経済貿易事務所認定法」を改訂し通過させた。この法律は、香港が高度な自治を享受していない状況下で、米大統領に米国にある香港の経済貿易事務所に対する特定の特権と免除を取り消すよう要求するものだ。
下院議員のスミス氏は、「私たちは香港の人々を大切にしているが、香港政府は人民に対する残酷な抑圧者となり、香港の事務所は中共の『前線基地』、国を跨いだ抑圧の延長となっている」と述べた。
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