疫病が拡がる中国 中共がひた隠している現状

2023/12/13 更新: 2023/12/13

中国で疫病の流行が広がり続けている一方で、中共(中国共産党)当局は真実を隠そうとし、流行が収まったと主張している。そうした中、一部市民や医療関係者が、中国での感染状況が拡大しているといった実情を明かした。

12月10日の中共衛生健康委員会の記者会見で、報道官は2級以上の医療機関(総合的な中規模病院)で診断・治療を受けた子供の呼吸器疾患の人数は、全体的に減少傾向にあると述べ、現在の呼吸器疾患、特に小児呼吸器疾患の発生状況に対応するため、各地の2級病院、婦人・小児科病院、中医院(中国医学の病院)、地域の診療所に対し、小児科の診療ニーズに応えるよう要求した。

しかし、各地の市民からは、流行の現状は改善されていないという声が上がっている。

河北省市民の劉さんは同僚の2人が感染し、自身も感染した。

医師は劉さんに感染していることを告げたが、感染したのはインフルエンザではなかったが、検査結果に新型コロナウイルス(私たち大紀元グループは「中共ウイルス」と呼んでいる)に感染しているとも記載されていなかった。

病院の2階から降りてくると、1階の点滴ホールは子供たちで埋め尽くされており、およそ300人はいたという。

肺炎の流行で、北京の小児病院は、毎日あふれかえっている(スクリーンショット)

医師が語った流行の現状

劉さんに医師が話した事によると、多くの患者がインフルエンザに感染していたため、病院に点滴を受けに行き、その結果、交差感染して中共ウイルスに感染しているという。 

その医師は「インフルエンザは完治しにくく、治療薬が少ない。インフルエンザにせよ、中共ウイルスにせよ、まず薬を飲んで注射して、注射が効かなければ点滴して対処するしかない」と語った。

現在の中国の感染症の深刻さを感じているのは劉さんだけではない。北京市の国有企業のある幹部はSNSで、感染拡大の現状を語った。

「インフルエンザと肺炎の状況が昨年のゼロコロナ政策を撤廃した時よりもはるかに深刻だ。出勤している人の数はその時よりも少ない。廊下では、各オフィスから咳の音が聞こえる」

「自分のオフィスには5人いる。1人が肺炎、3人がインフルエンザ、残り1人は何に感染しているのかわからない。小学校や幼稚園は、多くのクラスが全員感染している」

各地で始まるワクチン接種

中共衛生当局は12月10日に開いた記者会見で、学生、学校、保育施設や公共交通機関などの職員、教職員に対し、できるだけ早くインフルエンザなどの予防接種を受けるよう求めた。

劉さんによると、彼の親戚や友人の中で公務員だった人の中に予防接種を受けた人はほとんどいなかったという。

劉さんは河北省衛生当局と市医療保障局はマスクの着用を呼びかけている。「街でマスクをする人が増え、パンデミック時に戻ったような気がする」と話した。

ニュースアプリ「潮新聞」が報じたところ、12月6日、西安市鄠邑区のあるタクシー会社は、タクシー運転手にコロナワクチンの予防接種を受けさせるよう、上から通達があったと述べたという。

また「西安晩報」紙はこのほど、XBB変異体の抗原成分を含む新しいコロナワクチンが陝西省全域に配布されたと報じた。関連部門は高齢者など重症化リスクが高い人に早急にワクチンを接種するよう勧告したという。

福州市民の厳さんは12月7日、エポックタイムズの取材に対し、ここ1か月、地元の診療所や病院前で長蛇の列ができていると語った。特に子供の感染が多く見られるようだ。

厳さんはさらに、「子供たちだけでなく、中学生や高校生もウイルスに感染し、発熱や咳などの症状が出ている。自分も今風邪の症状が出ている」と語った。

北京の小児病院は連日患者であふれ、上海では1日に40万人が感染している。中国の謎の肺炎の流行は、1か月以上たっても収まる気配がない。

李浄
駱亜
中国語大紀元の記者、編集者。