中共の諮問機関である国務院参事室公共政策研究センターの副理事長・胡偉氏は、ウェブサイト「Zhongmei.Report」で発表した文章で、「歴史が我々に残した時間はもう多くない」ことを公然と認めている。
同サイトは、米中の有志者によって設立され、米中両国の「公平な競争、誤解の解消、分歧の管理、平和共存」の実現を支援すると自称しているが、外部からは中共(中国共産党)のプロパガンダ機関だと指摘されている。
同氏の文章によれば、いわゆる対外開放とは実際に、西側に対する開放を指すもので、西側からの資本、技術、人材の助けを借りて自分たち(中共)を発展させるためのものだ。
改革開放以前のいわゆる「閉鎖」は、外界全体に対する閉鎖ではなく、西側世界に対する閉鎖だった。アジア、アフリカ、ラテンアメリカに対しては常に開放的であった。 したがって、いわゆる改革開放の鍵は、欧米諸国への開放にある。
文章では、現代化への道を歩み、世界、未来を志向するか、それとも閉鎖的で、習近平を最高権威とし続けるかは、改革開放が続いているかどうかを判断する試金石だと指摘している。
この点で、西側、特に米国との関係をどう扱うかは、中国(中共)の現代化を成功させるための重要な前提条件となっている。
多くの人は常に、米国は「我々(中共)を滅ぼす意図を持っている」と考えているが、これは改革開放の歴史的事実に沿っていない。中共が米国が支持するものすべてに反対し、米国に反対するものすべてを支持するならば、米中関係は良好なものにはならないだろう。
胡偉氏は、中国が世界の現在の技術革命の波に乗ることができるかどうかが、中国が近代化された大国を築けるかどうか、ひいては今日の世界で自らの立場を守ることができるかどうかを決定する鍵だと認めている。これは極めて深刻な課題で、もし中国がこの技術革命から取り残されたら、その結果は想像を絶するものだろう。
文章の最後に、同氏は、「歴史は我々にほとんど時間を残していない」と述べた。
時事評論家・李林一氏は、胡氏の文章には興味深い点がいくつかあると考えた。
その一つは、「定於一尊(最高権威を強調するもの)」という中共当局のやり方に異議を唱え、それは「改革開放」の範囲にそぐわないと主張したことだ。
もう一つの注目点は、当局の「東昇西降(東は上がり、西は下がる)」の言い方に異議を唱え、米中関係の改善を公然と呼びかけ、中共は技術的後進性によって、歴史的に取り残される可能性があるという予測をしたこと。
中共内部の専門家として、胡氏はやはり中共の統治維持を目的にしている。李林一氏は、中共の崩壊は米国の圧力が一因かもしれないが、根本的な理由は、中国国民が中共の本質を認識し、中共を見捨てることを決めたからに違いないと指摘し、今後、より多くの人々がこのことを理解するようになるだろうと述べている。
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