米西部コロラド州最高裁が19日に2024年大統領選に向けた同州の共和党予備選に、トランプ前大統領の出馬資格を認めないと判決したことを受け、同じく共和党候補のビベック・ラマスワミ氏は20日、同州の予備選から撤退すると宣言した。
ラマスワミ氏はこの判決を「民主主義への攻撃」と非難し、「非アメリカ的、違憲、そして前代未聞の判決だ。民主党の裁判官たちがトランプ氏を締め出そうとしている」とXに投稿した。
「超党派のエスタブリッシュメントは、トランプ氏を選挙から排除するためにあらゆる手を尽くしてきた。今度はトランプ氏を二度と大統領の座につかせないように憲法修正第14条という新たな戦術を展開している」
憲法修正第14条3項には反乱条項がある。これは、トランプ氏が2021年1月6日の連邦議会議事堂への侵入をめぐり「反乱または反逆」に関与したとみなし、大統領選挙に立候補する資格がないとした最高裁判決の法的根拠となっている。
ラマスワミ氏はさらに、判決が覆されない限り、他の共和党候補者にも同州予備選からの撤退を呼びかけた。「ロン・デサンティス氏、クリス・クリスティ氏、ニッキー・ヘイリー氏にも直ちに同じことをするよう要求する。さもなくば、この違法な作戦を黙認することになり、わが国に悲惨な結果をもたらすだろう」
判決には「法的問題」がある
今回の最高裁判決は、11月に下された高裁判決を覆すものだ。高裁では、トランプ氏が2021年1月6日の「反乱」に「関与」していたものの、修正第14条3項は「大統領には適用されない」として、大統領に立候補できると判断していた。
ラマスワミ氏は、最高裁判所の判決が政治的であり、法的な問題があると指摘した。「トランプ氏は、憲法で使われている『米国の元官僚』ではないため、第3節は適用されない」と述べた。
さらに、19世紀の南北戦争後に批准された第14修正条項は、当時米国の反乱に関与したとされる元連邦軍や政治指導者が、再び公職に就くことを禁じるために定めらたものであると、制定の背景を指摘。
トランプ氏を南北戦争時代の高官と並べ、大統領候補としての出馬権利を奪おうとする「コロラド州の左翼団体は、なんて滑稽なんだろうか」と続けた。
コロラド州の裁判所は連邦最高裁による再審理のため、1月4日まで判決を保留している。同裁判所は「法律を適用するという厳粛な義務にも留意している」と述べた。
いっぽう、トランプ氏側は「コロラド州最高裁が下したこの判決は、米国の民主主義の根幹を攻撃するものだ」と非難している。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。