中共党首が激怒 ロケット軍粛清の原因は欠陥ミサイルだったのか  

2024/01/09 更新: 2024/01/09

米情報機関が示しているように、中国共産党(中共)による軍粛清の引き金となったのは、欠陥品のミサイルと中核軍備の品質不足だ。ブルームバーグは1月6日、関係者の話を引用して伝えた。

情報筋によれば、中共ロケット軍と国防産業基盤全体に腐敗が蔓延しているという。 情報筋の一人によれば、米情報機関の評価は、中共軍の腐敗の例をいくつか挙げた。

その中には、燃料の代わりに水が入ったミサイルや、中国西部には、ミサイルサイロの蓋の規格が合わないため使用できないミサイルが倉庫にたまっているようだ。

にわかには信じがたい話かもしれないが、この話を裏付けるように、中共当局が中共軍、特にロケット部隊の完全粛清を進めている現象がますます出てきている。

以前から、中共党首・習近平はロケット軍の装備や配置に何か問題があり、部下に激怒したのではないかとの憶測が飛び交わっていた。

中共軍の研究員らは2014年には、軍内に蔓延る腐敗について「軍の戦闘能力を弱める一番の元凶」と呼んでおり、米国も中共軍内の腐敗が軍全体の能力低下、特にロケット部隊の能力低下につながっていると評価していると関係者は語っている。

ウクライナとの戦争においても、組織的な腐敗がロシアの一部兵器システムの性能低下につながっているとされており、米政府関係者は、腐敗の一般化で、中共が今後数年のうちに大規模な軍事行動を検討する可能性は低くなっていると判断している。

中共は、2027年までに軍隊を近代的な軍隊に変貌させるという目標を掲げており、この取り組みに数十億ドルを投資している。 その中心にあるのがロケット軍だ。

ロケット軍は対台湾作戦や南シナ海での作戦で重要な役割を果たすと期待されている。

分析によると、中共軍内部では大規模な粛清が行われており、党内の権力闘争は、2012年に習政権が発足した当時「トラも蝿も叩く(大物も小物も関係なく)」という全面的な腐敗粛清をしていたが、それに匹敵するほどの激しさだという。過去6か月間に、軍内の腐敗調査部門は十数人の高級将校を逮捕した。

昨年12月29日には、中共軍内部で「大規模な入れ替え」が行われる現象が見られた。9人の高級軍官が全国人民代表大会代表の職を解かれ、さらに3人の軍事企業の高官が中国人民政治協商会議委員の職を解かれている。

この一連の粛清行動は、昨年10月に前国防部長の李尚福氏が解任された後に行われた。李氏は国防部長に就いてわずか7か月でその職を解かれた。

中共軍の機関紙は2024年1月1日の社説で、今年「反腐敗の戦い」を展開すると宣言しており、この事は、今後さらに多くの粛清が行われる可能性があることを示唆している。

米国家安全保障会議(NSC)で中国担当部長などを務めたデニス・ワイルダー氏はSNSのXに「米国側の評価が中共軍の戦闘準備状態と全体的な能力に深刻な影響を与える」と書き込んだ。

「国を最大の脅威から守るための大陸間弾道ミサイルを発射できない。また、建設中の300基の新しい発射サイロの蓋にどう対処するかを想像してみてほしい」

「習近平はまだ権力の座にあるが、これは彼の権力を弱体化させるに違いない」とワイルダー氏は指摘している。

林燕
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