1月23日午後、上川陽子外務大臣は、訪日中のラシッド・メレドフ・トルクメニスタン副首相兼外務大臣と外相会談を行うと共に、「2024年-2026年における日・トルクメニスタン外務省間協力プログラム」の署名・交換を行った。
上川大臣は、約1年ぶりのメレドフ副首相兼外務大臣の訪日を歓迎し、能登半島地震に対するお見舞いメッセージへの謝意を述べた。
二国間関係に関し、上川大臣は、トルクメニスタンは天然資源ビジネスと脱炭素の両立の観点から重要なパートナーであり、様々な分野での経済関係を強化したいと表明した。
トルクメニスタンは、埋蔵量世界第4位の豊富な天然ガスを有し(BP統計によると2020年末時点での天然ガス確認埋蔵量は13.6兆立方メートルで、世界の7.2%)、主にその輸出を基盤に2010年代初頭まで高い経済成長率を実現していた。
日本経済新聞によると、2018年中央アジアのトルクメニスタンは国家収入の大半を占める天然ガスの輸出で中国依存を深める一方、同国への借金が膨らみ、資金繰りが悪化していた。
天然ガス輸出先の多角化を目指しており、2019年に停止していたロシア向け輸出を再開させたほか、2022年にも停止していたイランへの輸出(アゼルバイジャンとのスワップ取引)を再開している。また、TAPI(トルクメニスタン、アフガニスタン、パキスタン、インド)パイプライン建設計画に積極的姿勢を見せている。これまでも日本企業は、天然ガス加工等の大型案件を通じてトルクメニスタンの産業多角化を後押ししてきた。
その他、隣国ウズベキスタンやタジキスタンと同様に、大規模な灌漑による綿花生産が中心となってきている。
また租税条約について実質合意に達し、今後は、脱炭素化などエネルギー・トランジション分野でも協力していきたいと述べ、両国間で脱炭素分野の協力にかかる政府間覚書が署名された。
両国は、「中央アジア+日本」対話・首脳会合の開催に向けて調整を進めていくことを確認し、様々な分野において緊密に連携していくことで一致した。
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