[ジュネーブ 22日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は22日の理事会で演説し、感染症によるパンデミック(世界的大流行)発生時の世界的な準備を整える国際条約について、目標としている5月までの合意が達成されない恐れがあり、そうなれば将来の世代に大きな打撃になると表明した。
新型コロナウイルスによりWHOの試算で700万人以上が死亡したことを受け、国際保健規則(IHR)など既存の規則の改定や新条約の締結により、新たな感染症流行への世界的な予防能力向上を目指す取り組みが始まっている。
テドロス氏は、「加盟国がこの目標へのコミットメントを満たさない恐れがあると懸念している。いくつかの問題は期限を過ぎても解決していない」と指摘。「新条約締結とIHR改定を実現できなければ、機会が失われ将来の世代はわれわれを許さないかもしれない」と述べた。
交渉担当グループのドリース共同議長は22日の非公式ブリーフィングで、この種の交渉には通常7年かかるが、今回はまだ2年しか経過していないとした上で、パンデミック予防の「緊急性が薄れている」今、事態を進展させることが不可欠だと述べた。
WHOが創設75年の歴史の中で成立させた合意は、2003年のたばこ規制枠組み条約(FCTC)のみにとどまっている。
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