米国のレモンド商務長官は30日、中国製電気自動車(EV)は貿易と国家安全保障に重大なリスクをもたらすと警告した。米政府は中国製電気自動車に追加関税を課すとともに、国民の個人情報を保護する措置を検討している。
レモンド氏は大西洋評議会主催のイベントで「EVや自律走行車には何千もの半導体とセンサーが搭載され、ドライバーや車の位置、車の周囲に関する膨大な情報を収集している」と指摘。「これらの情報が中国(共産党)に渡っていいのか」と懸念を表明した。
ブルームバーグによれば、極めてセンシティブな個人情報が外国の敵対勢力に流出するのを防ぐためホワイトハウスは大統領令を準備している。米政府高官らも長年、中国がこの分野で特に脅威になると警告してきた。
一方、今回のレモンド氏の発言はこの大統領令に関連したものではなく、技術分野において米国がますます国家安全保障の観点から懸念を強めていることを反映していると、ブルームバーグは匿名の当局者の内部情報として伝えた。
レモンド氏は半導体についても言及し「半導体の多くも中国製であり、同じリスクが考えられる」と強調。「EVや半導体などの分野において中国共産党に対抗するため、同盟国と協力する必要がある」と述べた。
ジェイク・サリバン国家安全保障顧問もイベントで「米国の企業が開発した高度で機密性の高い技術が、脆弱性の源にならないように懸命に努力してきた」と語った。
トランプ前政権は中国製自動車に25%の輸入関税を導入し、バイデン政権もこの政策を維持するなど、政府はこれまでも、中国製EVを米国市場から締め出す措置を講じてきた。
ホワイトハウスは現在、EVを含む中国輸入品に対するさらなる関税の引き上げを検討しており、米大統領選挙を控えて米中貿易対立が激化しそうだ。
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