中国アニメを「日本産」と勘違いした男 「ゆがんだ愛国心」で展示物破壊の大暴走=中国 広東

2024/03/16 更新: 2024/03/16

先日、広東省広州市のアニメシティで開催された「盜墓筆記」のイラスト展で、この人気の中国産アニメを「日本製アニメ」と勘違いした男がいた。

男は、ゆがんだ愛国心にまかせて「大暴走」する。やたら怒鳴り散らしながら展示物を破壊したうえ、制止する職員を蹴るなど、暴行を加える事件が起きた。

その様子を捉えた動画がネットにも流出しており、物議を醸している。事件が起きた日時ははっきりしないが、動画の日付は3月12日になっている。

動画のなかで、犯人の男は展示物を破壊しながら「あんたたち、ここで何をしている!」「これは日本のものだ」と叫ぶなど、周囲も手の付けようがない状態だった。

このような完全に正気を失った状態では、自身の勘違いもさることながら、男にとってそれは「日本製アニメ」であることが絶対に許せない、憎悪の対象になってしまう。

現場の目撃者によると、男は怒りにまかせて現場にあった「サイン壁」を破壊し、展示パネルを蹴り飛ばした。さらには、他の来場者に対し「あんたら、国を愛してない」などと責め立てて、なだめて制止しようとするスタッフまで蹴った。さらに男は、パネルを持って別のスタッフを叩いたという。

この騒ぎを受け、展示会の職員は110番通報。現場に駆け付けた警官によって、男は連行された。

「盜墓筆記(盗墓笔记)」は中国の著名な作家「南派三叔」による、盗墓を題材にしたネット小説である。その人気の高さから、アニメや映画にもなっている。

しかし、大暴れした男は、これをてっきり「日本製アニメ」と勘違いした。そればかりか、中国共産党の洗脳によって注入された「日本は絶対悪」の観念に支配されたためか、自己がもつ愛国心がいかに純粋であるかを顕示するように「正義の実践者」と化した。

男の独演による「愛国ショー」は、中国のSNSでも話題になっている。しかし、反日で火が着きやすい中国のネット世論も、今回ばかりは冷ややかなものだった。

「反日ドラマに毒された可哀そうな人だ」「見え透いた、愛国パフォーマンスだろう」など、男への批判的な声が圧倒的に多かった。

また、ネットの反応のなかには「こうした連中は、騒ぎを起こしてアクセス稼ぎをしようとしているだけだ。何も本当に日本が憎いわけではない。愛国という旗印を掲げて、中国人にちょっかいを出すだけなら、それほどのリスクはないだろう。だが、本当に日本人を傷つけたら、自分が牢屋に入れられることになりかねない」といった冷静な見方もあった。

(中国産のアニメを「日本アニメ」と勘違いした男が、興奮して大暴れ。掲示物を破壊し、職員を蹴る事件が起きた)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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