3月9日、米空軍は「F-35A(ライトニングII)ステルス戦闘機が、B61-12戦術核弾頭の搭載が可能な認証を受けた」と発表した。
これによりF-35Aは、世界で初めて「核弾頭を搭載できるステルス戦闘機」となった。
世界初「二刀流」開眼したステルス機
米国の防衛ニュースサイト「ブレイキング・ディフェンス」によると、米国防省のF-35共同プログラムオフィス(JPO)の広報担当であるラッセル・ゴエマレ氏は「3月9日に、F-35Aが2023年10月12日にB61-12戦術核弾頭の搭載に関する認証を取得したことを確認した」と公表。これは、NATOに対する「2024年1月までに公表する」という期限を、約9か月前倒しする早さである。
ゴエマレ氏は、「F-35Aは、史上初めて第五世代の核機能を有する航空機である。同機は、1990年代初頭以降、戦闘機及び爆撃機のなかで初めて、従来の武器と核兵器の両方を搭載できる、言わば”二刀流”を擁する航空機だ」と述べた。
また同氏は、F-35Aが核搭載認証を早期に取得したことにより「米国とNATOにとって重要な能力を提供し、計画よりも早く核抑止の約束を強化することに寄与した」と付け加えた。
B61-12は「最も危険な核弾頭」
B61-12核弾頭は、米国のB61シリーズ戦術核弾頭の最新モデルの一つで、米国初の誘導型、すなわち「スマート型」核弾頭であり、現時点では「最も高い危険性」をもつとされている。
米国科学者連盟(FAS)の報告によれば、最新のB61-12核弾頭は、地下にある指揮所やシェルターなどに対して有効な打撃を与える能力を持っている。この核弾頭は、0.3キロトン、1.5キロトン、10キロトン、50キロトンの4つの異なる爆弾から選択できる。
将来の「限定核戦争」や通常戦、さらには相手国の政治中枢に電撃的な攻撃を仕掛ける「斬首作戦」において、B61-12核弾頭を搭載するF-35Aステルス戦闘機が、速度、機動性、先進的なステルス性能、および低空飛行能力を活かし、敵に更なる脅威を与える可能性がある。
また、B-2などの爆撃機と比較して高速飛行するF-35は、遠距離センサーと目標ロックオン技術を駆使し、移動式兵器発射器やその他の重要な移動目標を正確に捉え、破壊する能力を持っている。
周辺国配備で「進む中共への抑止力」
F-35Aステルス戦闘機は、21世紀における米軍の空中戦力の中心を担うものとして、近年、中国周辺国への配備が増加されている。それは同時に、中共に対する抑止力を強化することになる。
報道によると2023年12月7日、日本の航空自衛隊の第40機目のF-35A戦闘機が名古屋市での初飛行を成功させ、航空自衛隊への引き渡しが予定されている。
同様に、韓国軍はこれまでに40機のF-35A戦闘機を導入している。昨年末には米国のロッキード・マーチン社と契約を結び、さらに20機のF-35Aの導入が決定された。
韓国通信によると、新たに導入されるこれら20機のF-35Aは、より強力な脅威対応能力と兵器搭載能力を備えているという。
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