米メジャーリーグ・ドジャースは20日、大谷翔平選手の通訳を務めていた水原一平氏を解雇した。担当弁護士によれば、水原氏は違法賭博と横領の容疑で当局の調査を受けている。
大谷選手の弁護士によれば、当局による別件の違法賭博捜査のなかでドジャース関係者の名前が浮上。通訳の水原一平氏の行動を調査した結果、横領疑惑が発覚したという。ESPNなどが報じた関係者の話によれば、被害額は450万ドル(約6億7500万円)に上る。
担当のBerk Brettler法律事務所は声明で「最近のメディアからの問い合わせに対応する過程で、翔平選手が巨額の横領の被害に遭っていたことが判明した。我々はこの問題を、当局に引き継ぐ」と述べた。
AP通信によれば、MLBはこの件を調査中だという。ドジャースは解雇の事実を認めつつ、詳細は明らかにしていない。
スポーツ賭博は米国の40州で合法化されているが、大谷選手が所属するロサンゼルス・ドジャースの本拠地カリフォルニア州ではいまだ違法とされている。
ルール違反があった場合、選手やスタッフはMLBコミッショナーから処分を受ける可能性がある。大谷選手自身がギャンブルに関与したという情報はない。
大谷選手、通訳の借金を肩代わりか
騒動発覚前、水原氏は18日にESPNが行ったインタビューで、大谷選手が肩代わりして助けてくれたと明らかにした。「彼(大谷)は(賭博による損失補填を)好ましく思っていない。二度とこのようなことがないように助けてくれると言った。翔平が賭博に一切関与していないことを皆に知ってもらいたい。これが違法だと知らなかった。私は苦い思いをして教訓を得た。二度とスポーツ賭博はしない」
水原氏はさらに、野球に賭けたことは一度もないと付け加えた。「野球に賭けたことは一度もない。100%ない。そのルールは知っていた」
しかし20日、水原氏はESPNに対し回答を一変。大谷選手は自分の借金について知らず、賭博関係で送金したこともない、と述べていた。
大谷選手と水原氏は、仕事上のほかプライベートでも交友があったと報じられている。水原氏は、大谷選手が2018年に日本からロサンゼルス・エンゼルスに移籍して以来通訳を務めてきた。
大谷選手は昨年12月、10年7億ドルの契約でドジャースに移籍。20日には韓国で行われたサンディエゴ・パドレス戦での勝利で、ドジャースでのデビューを果たした。
大谷選手は大リーグでシーズンMVP(最優選手賞)を2度受賞するスター選手。日本全国の小学校へグローブを寄付するなど慈善活動も行っており、日本や米国でも強い人気を誇っている。
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